第48話 本選開始
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「クルツさんはそんな凄い実力者だったんですね」
「ああ、リベールで唯一方術を使いこなせるクルツは『方術使い』の二つ名を持っているんだ」
「そんな凄い実力者だったとは……是非とも手合わせをお願いしたいです」
リベールに所属する遊撃士たち、シェラザードさんやアガットさん、更にはグラッツさんやカルナさんたちといった強者たちの中でもbQの実力者だと聞いた俺とラウラは尊敬の眼差しをクルツさんに送っていたがクルツさんは苦笑いすると首を横に振った。
「私などまだまださ、遊撃士のランクは任務をこなしていけば自然と上がるものだ。方術は集団戦にて真価を発揮する特性故、仲間の援護したり新人の育成をしているうちにランクが上がっただけさ」
「それでもナンバー2と呼ばれるのはクルツさんがこのリベールにとって欠かせない人材だからですよ。因みにナンバー1ってやっぱりあの人ですか?」
「ああ、お察しの通りカシウスさんだ。あの人に匹敵する遊撃士などクロスベルに所属するアリオス・マクレイン殿くらいだろう」
「アリオスさん……」
アリオスさんか……昔あることが起きて警察から遊撃士になったアリオスさんは今ではカシウスさんに匹敵するほどの遊撃士になっていた。ここ数年は会っていないが彼や娘のシズクちゃんは元気にしているだろうか?
(……この件が片付いたらあの人の墓参りにもいかないとな)
そんなことを考えていると背後からフィーが飛びついてきたので慌てて受け止めた。
「フィル、何をやっているんだ?」
「リート、助けて!」
「もう、逃げないでよ、フィルちゃん。お姉ちゃんと親交を深めましょう?ね?」
どうやらアネラスさんから逃げてきたらしい。アネラスさんは八葉一刀流の創立者であるユン・カファイの実孫でリベールで遊撃士をやっているそうだ。ついこないだ正遊撃士になったそうでエステルさんたちの先輩らしい。
「あ、弟弟子君。楽しんでる?」
「はい、それよりもフィルとなにをしていたんですか?」
「それがね、フィルちゃんと交流しようと思ったんだけど私を見ると直に逃げ出しちゃうのよ」
「そんな風に迫るからじゃないですか?というよりもアネラスさんは可愛いものが好きなんですか?」
「うん!可愛いは正義だからね!」
正義と言いきる辺りよっぽど好きなんだな。
「良かったな、フィル。可愛いだってさ」
「リートに言われるのは嬉しいけど、あの人は嫌……」
「がーん!?」
フィーに拒絶されたアネラスさんはその場で両腕と両ひざを地面に当てて哀愁漂う雰囲気になった。
「そんな……可愛い女の子に拒絶されるなんて……死のう」
「わー!わー!死ぬなんて言っちゃ駄目ですよ!」
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