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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第48話 本選開始
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もしかしてあなたは八葉一刀流の使い手ですか?」
「うん、私のお爺ちゃんは剣仙ユン・カーファイだからね」
「ユ、ユン老師のお孫さんですか!?」


 八葉一刀流の関係者だとは思っていたがまさかお孫さんだったなんて……ユン老師の話ではフィーに似た可愛い孫と言っていた、可愛いのは認めるけど性格は真逆じゃないか。


「おや、どうかしたの?私の顔をジッと見たりして?」
「ああ、すみません。老師の話通りの人だなぁと思って」
「お爺ちゃんから私の事を聞いていたの?何だか恥ずかしいな」
「あはは……」


 思いもよらない場所でユン老師のお孫さんと出会ってしまった俺はちょっと驚いてしまった。




―――――――??

――――――

―――



「「「カンパーイ!」」」


 俺たちは現在、サニーベル・インで遊撃士チームの方々と食事をしていた。本当は断ろうと思っていたがアネラスさんに強引に連れてこられた為抜け出せなかったんだ。まあボロを出さないように気を付けるしかないか。


「いやー、今日は絶好調だったな。この調子で優勝目指すのみだ!」
「張り切るのはいいが飲み過ぎるなよ、明日も試合はあるのだからな」


 豪快にビールを飲むグラッツさんをカルナさんが注意する、所属するギルドは違うがどうやらプライベートでも仲はいいらしい。


「クルツさんが試合で使っていたあの技は何だったんですか?確か何かを喋ったら皆さんの身体能力が向上したり敵に攻撃をしていましたよね?」
「鋭いな、リート君。あれは『方術』という東方に伝わる秘術だ。私の祖父は元々東方の出身でね、リベールに移った後も方術を磨き上げて私に授けてくれたんだ」


 東方か……八葉一刀流や泰斗流が生み出された地方で俺も詳しくは知らない場所だ。いつか行ってみたとも思っているが今のところその予定はない。


「方術にはどんな種類があるんですか?」
「そうだね、防御を上げる≪鋼≫、体力を回復させる≪白波≫、戦闘不能になった者を復活させる≪風花≫といった防御用のものから≪夢幻≫、≪夕凪≫といった攻撃用のものまである」
「攻守において何でもできるんですね、まるでアーツみたいです」
「おいおい、いいのか?明日、もしかしたら俺たちと戦うかも知れないのに自分の能力の情報を話したりしても?」
「かまわねえだろう、何ていったってクルツはリベールの遊撃士の中でもナンバー2の実力者なんだからな」


 俺がクルツさんに方術に付いて聞くと彼は快く教えてくれた。そんなクルツさんにジンさんが苦笑しながら能力を教えてもいいのかと質問すると酔っ払ったのか上機嫌になったグラッツさんがクルツさんがリベール王国の遊撃士のナンバー2だと言うので驚いた。

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