第48話 本選開始
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断っておくか。
「あの、すいませんが俺たちは……」
「キャッ!?」
「フィル!?どうかしたのか!?」
背後にいたフィーが小さな悲鳴を上げたのが聞こえたので、振り返ってみると栗色髪の女性がフィーを抱きしめていた。アレは確か遊撃士チームのアネラスという人だったな。
「キャー!可愛い女の子見ーつけた!」
「な、なんなの……?離して……」
フィーを人形のように抱えてスリスリと頬ずりをしている。フィーは非常に嫌そうな顔をしているが抜け出せないのかされるがままになっている。
「おい、アネラス。可愛い女の子を見たら抱きしめる癖、直しておけって言っただろう?」
「すみません、グラッツ先輩!でも、私、自分に嘘はつけないんです!」
そこにグラッツさん、カルナさん、そしてクルツさんが現れてグラッツさんがアネラスさんからフィーを解放してくれた。
「リート!」
自由になったフィーは一目散に俺の元に走ってきて俺の背後に隠れた。よっぽど怖かったらしい。
「ああ、嫌われちゃった……」
「自業自得だ、まったく……コホンッ、久しぶりだな。リート、フィル」
「お久しぶりです、カルナさん。ルーアンではお世話になりました」
「気にするな、君たちにも助けられたことがあったしこうしてまた会えて嬉しいよ」
「ん、そうだね。わたしも嬉しい」
俺の背後にいたフィーはカルナさんを見るとひょこッと出てきた。
「ようリート。前は世話になったな」
「グラッツさんもお久しぶりです。試合、見ていました。素晴らしい剣術でしたよ」
「ははっ、八葉一刀流の使い手にそう言って貰えるとは俺も捨てたもんじゃないな。俺もお前とそっちの嬢ちゃんの試合を見せてもらったぜ。あの『不動のジン』を相手によくあそこまで追い込んだもんだ。そういやそっちの嬢ちゃん、名前はなんていうんだ?」
「ラウラ・S・アルゼイドと申します。グラッツ殿、以後お見知りおきを」
「そんなかしこまった挨拶しなくてもいいぜ、ここはフランクにいこうや」
「ふふ、承知した。よろしく頼む、グラッツ殿」
ラウラはグラッツさんと握手をかわして親交を深めていた。
「……あなた方とは初めてお会いしますね。俺はリートと言います」
「私はクルツ・ナルダン。君の事はグラッツたちから聞いている、ボースで起きた空賊事件を解決に導いた協力者の一人だとな。その年で見事な腕前だ」
「ありがとうございます」
クルツさんはどうやら俺の事を知っているようだ、まあ空賊事件について調べれば俺の事も自然と知ることはできるだろう。
「じゃあ最後はわたしの番だね。私はアネラス・エルフィード!よろしくね、弟弟子君!」
「弟弟子?
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