第48話 本選開始
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
考えているんだろうね」
カプア一家は犯罪を犯して服役中だったために本来武術大会に出場することなどできない、だが武術大会を盛り上げることによって迷惑をかけたリベール王国の市民に償いたいという事でデュナン侯爵が許可を出したらしい。まあその心構えは立派だと思うがそれでも元犯罪者を出場させるとはあの侯爵は危機感が無いのか?
「団体戦のルール変更に元犯罪者の参加を許可……わたし、あの侯爵が王になるなんて絶対に嫌」
「同感だな、いくら何でもひど過ぎる。エレボニア帝国の酷い貴族みたいだ」
「私はエレボニア帝国の出身だからそう言われるのは耳が痛いな……まあそういう輩がいるのも事実故反論は出来ぬのが歯がゆいな」
エレボニア帝国においてラウラ達のような貴族は実は珍しい方だ。
大抵の貴族が一般市民を見下している傾向が多い、無論そんな連中ばかりじゃないのは知っているが猟兵の仕事でこちらを舐めてくる貴族も多かったからいい感情は持っていない。
(酷い時にはフィーを見て気に入ったから買い取ってやるなんてふざけたことを言った貴族もいたな。まあ西風に壊滅させられたんだけど)
フィーに手を出せば唯ではすまない、その貴族も社会的に殺されてしまった。
第3試合が始まり試合を見ていたがカプア一家は元々集団戦を得意としていたらしく、キールが煙幕爆弾で撹乱した隙にドルンが斧で攻撃をしてジョゼットがアーツや銃でフォローするという連携で勝利を収めた。
「流石に導力砲は使えなかったか」
前に戦った時、ドルンは導力砲を武器にしていたが流石に武術大会では使えなかったようで代わりに斧を使っていた。しかしあの体格で斧を使われると実力は全く違うがシグムントさんを思い出すな、何回もあしらわれた事がある俺からすればあまりいい光景ではない。
『続きまして第4試合を開始いたします』
今日最後の試合となる第4試合が始まるようだ、今まで出てこなかったがいよいよあのチームが姿を現しそうだ。
『北、紅の組。王国軍情報部、特務図体所属。ロランス少尉以下4名のチーム!』
「……いよいよお出ましか」
紅の組から出てきたのは黒装束たちだった、そいつらの中にフィーを傷つけたというロランス少尉の姿もあった。
「あれは昨日の予選を圧倒して勝ったチームだったな。特にあの赤い仮面を付けた男性は実力が計り知れない、実際に戦っていたのは3人だけだがもしかしたら父上クラスの達人かも知れないな」
「……」
ラウラの言う通り、ロランス少尉の身に纏うあの闘気は静かながらも冷たく強い殺気がにじみ出ていた。その姿はまるで団長や光の剣匠といった次元の違う達人のものに似ていた。
「試合が始まるね…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ