第48話 本選開始
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side:リィン
エステルさんたちと話した次の日の朝、今日から武術大会の本選が始まるのだが本選は正午からなのでフィーとラウラの3人で町を観光する事にした。
「ラウラは行きたい所とかないのか?」
「そうだな、私は武器屋に向かいたいな。この国の武器がどれほどのものか実際に見ておきたい」
「ラウラらしいな……フィーはどうする?」
「わたしはエーデル百貨店に行きたい。アクセサリーとかを補充しておきたいから」
「了解、じゃあまずは武器屋に行ってからその後エーデル百貨店に向かおうか」
俺たちはヴァイス武器商会で武器を鑑賞してから、エーデル百貨店に向かい状態異常を防ぐアクセサリーを数個購入した。俺もティアラの薬やゼラムパウダーなどのアイテムをいくつか購入して時間が余ったので店の外にある売店で軽い間食をすることにした。
「すみません、アイスを3つください」
「ありがとうございます。お兄さんってば若いのにやるわね〜、そんな可愛い女の子を両手にはべらせちゃうなんて」
「うえっ!?」
「な、なにを言って……」
「ふふん、凄いでしょ」
店員のお姉さんにからかわれた俺とラウラは動揺したが、フィーだけは何故かドヤ顔で腕にくっついてきた。
「あはは、ごめんなさい。若い子って新鮮でいいわね〜」
「む、むう……冗談だったか……」
「ラウラってば焦りすぎだと思う」
「仕方ないだろう、そういう話は慣れてないんだ」
クスクスと笑うフィーにちょっと悔しそうな顔をしたラウラが慣れてないと話した。まあラウラも昔はレグラム以外の街に出たことないし街の人たちや門下生の人たちに大事にされてきたからそういうジョークや話には弱いんだろう。
(そもそも光の剣匠の娘にそんな話できるわけないんだよな……)
ラウラの父であるヴィクターさんはかなりの娘バカだ、そんな話をしようとした不埒者がいたら笑顔で剣を振るってきそうだ。
フィーにしたって西風の旅団の男連中が過保護なくらい大事にしているしエステルさんの父親であるカシウスさんも結構エステルさんに甘い所がある。この世界の父親は娘にはかなり甘くて男には厳しいようだ。
(……おっと、そろそろ時間かな?)
近くにあった時計を見るともうすぐ正午になる時間になっていた、俺たちはアイスを食べ終えると急いでグランアリーナに向かった。
「入場料、結構高かったね」
「負けたとはいえ出場者からもミラを取るとは思わなかったがな……」
入場料を払った俺たちは観客席で試合が始まるのを待っていた。
『皆様、大変長らくお待たせいたしました。これより武術大会、本選を始めます!』
「あ、始まるみたいだな」
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