猫娘と期末試験編
NO.060 期末試験 七、八、九回戦目
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突破口になりえる策で思わぬ落とし穴だ、と耳郎は感じた。
そこに口田の叫び声を察したプレゼント・マイクが、
「そこですかぁぁあああああ!!」
今度はしっかりと標準を合わせて叫んできていたためにもろにダメージを食らう二人。
だが、打開策は見えた。
あとは行動を起こすのみであるので、
「口田! 出来るかできないかだけ教えて!」
「……ッ!」
口田はなんとか親指だけ立てて出来る事を教える。
耳郎はそれならと一つの岩を破壊する。
そこにはおぞましいほどの蟲の姿があり、口田はもうそれで声にならない悲鳴を上げる。
だが、
「口田! あんたも雄英に合格できてここまで来れたんだからこのくらいの逆境は克服しないと! それにそんなじゃ緑谷達と肩を並べられないよ!」
「ッ!?」
そう耳郎に喝破されて口田は目を見開く。
見ればそう言う耳郎の耳からは血が流れてきていた。
おそらく鼓膜が破れてしまったのだろう。
自分が退いてしまった事でこんな事態に……。
情けない!
そして、出久の名を出されてそうだと口田は思う。
普通なら泣き叫んでもいい、未来に絶望してもいい……そんな状態の出久なのに、出久はしっかりと前に向かって歩んでいる。
そんな出久の姿に僕も頑張らないと、と口田はいつからか勇気付けられていた。
「(そうだ! 虫が苦手なくらいなんだ! それを乗り越えてこそプルス・ウルトラだろ!?)」
そう踏ん切りがついた口田は地面にいる虫達に向かって、
「お行きなさい小さき者どもよ……騒音の元凶たるその男、討ち取るのは今です……いいですか」
「めっちゃ喋るじゃん!!」
普段あまり喋らない口田とは打って変わってよく響く声で語り掛ける姿に耳郎の鋭いツッコミが入る。
だが、効果はすぐに出ていた。
もうすぐタイムアップとなる時間で「もうだめか?」と思っていたプレゼント・マイクだったが、ふと地面が盛り上がったのを感じた次の瞬間に這い出てくるおびただしい数の虫達の姿。
一気に自身の身体へと張り付いてきて、そのあまりの気持ち悪さに嫌悪感、体を張ってくる抵抗感にプレゼント・マイクも堪ったものではなく、すぐに意識を消失させて泡を吹きながら気絶をしてしまった。
そこを口田と耳郎の二人はひっそりと確認しながらも、
「プレゼント・マイク先生……気絶しているね。口田、やるじゃん」
「(ウンウン……)」
だが、鼓膜が破られてしまっている為に、正常に立つ事が出来ない耳郎は口田にお姫様抱っこをされながらもゴールを突破する事に成功したのであった。
それをモニター室で見ていた一同はと言うと、
「あれは……プレゼント・マイク先生でも堪ったものじゃないですね」
「うんうん……」
出久の言葉に
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