親子の絆・絶望の世界
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ニヤリと笑みを浮かべたヨザイネ。しかし、それを見ていた彼の相方を見て眉間にシワを寄せた。
「ねぇ、あなた」
「ん〜?な〜に〜?」
間抜けな声で答える少女にますます不信感が募る。ヨザイネはさらに問いかけようとしたところで、炎が弱まっていることに気付いた。
「雲竜水!!」
炎を突き破り向かってくる水の波動。ヨザイネはそれに驚きながらも咄嗟にバリアを張り事なきを得た。
「なるほど、水属性なら確かに炎は効果が薄いわよね」
セシリーが余裕だった理由をここで理解したヨザイネ。それでも彼女は余裕な表情を崩さない。
「あなたは確かに強い。でも、俺は絶対に負けられない!!」
大切な友の死を受けて負けることは許されないという意識を持っているシリル。それを聞いたヨザイネはクスリと笑った。
「何がおかしい?」
「ごめんなさい、あまりに不憫だったから」
不憫という言葉がどういうことなのか、イマイチ察しがつかないシリルとセシリーは首を傾げる。笑いが収まってきたヨザイネはその理由を語り始めた。
「あなたはハルジオン港で命を落としたレオンのために戦ってるのよね?」
「あぁ、そうだ」
自分が強くなったら彼と本気で戦う。そう誓っていた友の死は、彼に取って大きな影響を与えた。
自分はどうやってももう彼を追い越すことはできない。しかし、それを認めるわけにはいかない。だからこそ、手の届かないところまで行ってしまった彼を追いかけるために、勝ち続けなければならない。
「それが可哀想なのよねぇ、真実を知る私たちからすれば」
「もう〜!!何が言いたいのか全然わかんない〜!!」
なかなか理由を話そうとしないヨザイネにセシリーがキレた。地団駄を踏んでいるその子供のような姿に、シリルは苦笑し、ヨザイネは嘲笑う。
「言ってもいいのかしら?あなたの戦う理由が見出だせなくなるかもしれないわよ?」
どんどん話が見えなくなっていることに苛立ちすら覚えてしまう。
「いいよ、話せよ」
思わず低い声で、怒るわけでもなくそう答えた。それを聞いたヨザイネは彼のこのあとの姿を想像していたのか、ニヤつきが止まらない。
「Rシステムのことは知っているわよね?」
「Rシステム?」
Rシステム・・・正式名称はリバイブシステム。かつてゼレフが弟であるナツを生き返らせるために作成した魔法であり、亡霊に取り付かれたジェラールがゼレフ復活のために仲間たちを使って作り上げた楽園の塔である。
「それがなんだっていうんだ?」
「リバイブシステムを使うためには二つの条件があるの。一つは27奥イデアの魔力。そして・・・」
人指し指を立てたヨザイネは、それをシリルへと向ける。
「死者を器となる肉体」
「
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