161 告白
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ト姿を見て惚れたってさくらから聞いたんだ。学校が違うのに・・・。でも僕は好きなのは君とリリィだよ。本当は、みどりちゃんは別に好きじゃないんだ・・・」
藤木の答えに笹山は複雑な気持ちだった。藤木がはっきりと言ったからだ。卑怯を治すと決めたからかもしれないが、その台詞をみどりの前で言ったら彼女は悲しくなるだろうとも思った。
「そう・・・」
「確かに君に誤解されるのも嫌だし、みどりちゃんの気持ちも迷惑だなって思ってるんだ。それをはっきりみどりちゃんに言わないのは卑怯だって思ってる。でも、そう言っちゃうとみどりちゃんを泣かせてそれで最低な男だって思われるのも怖いんだ・・・。それにみどりちゃんには不幸の手紙の時に堀さんと一緒に僕を助けようとしてくれたからね。その恩もあるから裏切れないんだ・・・。ごめんよ、卑怯を治すって約束しておきながらなかなか治らなくて・・」
「藤木君・・・」
しかし、笹山は藤木を責めなかった。藤木は自分とリリィどちらにするかで迷っていたのみならず、みどりとの事でも苦悩を重ねていたからである。どうしても藤木の気持ちを落ち着かせてやりたかった。
「大丈夫よ。そんなのは卑怯じゃないわ。みどりちゃんもきっとわかってくれるわよ。それに藤木君はみどりちゃんの気持ちも考えようとしてるから言うのを躊躇ってるんでしょ?藤木君が優しいからよ」
「笹山さん・・・」
「好きじゃなくてもこれからも友達として付き合ってあげたらみどりちゃんも喜ぶわ」
「う、うん・・・」
「だからみどりちゃんと一緒にいるからって私は藤木君から離れないから大丈夫よ」
「う、うん、ありがとう・・・」
藤木と笹山は笹山家に着いた。
「只今」
「お邪魔します」
「あら、かず子、お帰り。それに藤木君。どうしたの?」
「藤木君に持っていって欲しい物があってね。済んだらすぐ病院に戻るわ」
笹山は車椅子から降り、歩いて上がろうとした。しかし、杖がない事もあり、二、三歩歩いてすぐ転んでしまった。
「笹山さん、無理しなくていいよ。僕も一緒に行くよ」
「うん、ありがとう・・・」
藤木は笹山を彼女が使っている部屋まで連れていった。そして机の引き出しを開けた。
「はい、これ持っていって・・・」
「それは・・・」
それは藤木と遊園地に行った記念として笹山が購入した小鳥のストラップだった。
「私が藤木君と遊園地で楽しんだ記念のストラップよ。私はパスポートを持ってないから代わりにこれをカナダに持っていって・・・」
「笹山さん・・・。わかった。僕のストラップと一緒に持っていくよ」
「うん、ありがとう!それじゃそろそろ病院に戻るわ」
「うん」
藤木は笹山を車椅子に乗せ、病院へと押した。
「藤木君」
「何だい?」
「私、実はね・・・」
「あれれ〜?そこ
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