第十三章 神は降臨するのか
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ら、今度また現れやがったら返り討ちにしてやっから」
定夫は強がって、指をぽきぽき鳴らそうと手を組んだ。脂肪のためか、まったく鳴らなかったが。
代わりにではないが定夫の指ではなく八王子の喉が、ぎゅむと鳴った。唾を飲み込もうとして、つっかえて喉が動いた、ということのようだ。
「ねえ、なにこれ……」
八王子はすっかり青冷めた顔で、パソコンモニターを指差した。
「いかが致した?」
トゲリン、敦子、レンドルの三人は、パソコン画面に顔を寄せた。
表示されているのは、知る人ぞ知る有名な裏サイト「うおんてっど」だ。要するに、腹立たしい者をネットに晒すためのサイトである。
「えへーーっ!」
敦子が、ひっくり返った声を張り上げた。
モニターの中には、西部劇によくあるようなお尋ね者の貼り紙が四枚横に並んでいる。顔の部分がくり抜かれて、ウォンテッドされている者の顔写真が貼り付けられているのであるが、それは、
レンドル定夫、
トゲリン、
八王子、
敦子殿、
の四人だったのである。
顔写真の下には、それぞれの情報が書かれている。
名前 山田定夫
住居 東京都武蔵野市
学校 武蔵野中央高校
体臭 臭い
罪状 神への反逆、および、原作者を詐称し、魔法女子ほのかのファンを執拗なまでに愚弄嘲笑したこと。
「なんだよこれ。どこで、こんな写真を手に入れたんだ」
定夫は黒縁眼鏡のフレームを摘まみながら、ぐいっと画面へさらに顔を寄せた。
ガツ!
「あいたっ!」
敦子の即頭部に、思い切り頭突きをかましてしまった。
「すまんっ、トゲリン」
「あたし敦子ですう」
敦子は涙目でいうと、自身も画面へ顔を近付けて、うーんと難しい表情を作った。
使われている四人の写真は、なんだかまとまりがない。
定夫のは比較的こまかな画質だが、
八王子は、印刷物を取り込んで、荒い網点をデジタル加工で修正したような、
敦子は、学校の集合写真を思い切り引き伸ばしたような、しかも妙に顔立ちが幼いような、
「あたしの、たぶん四年前。中一の時。入学直後の、集合写真です」
「ぼくのは、去年の学内報かな。教育実習の授業風景で、脇にちょいと写っているの使ったんだな」
「つうか八王子が投稿したんじゃないか? いまパソコンいじってたし。古い写真だって色々と持ってるし」
定夫は、ぼそり疑惑の言葉を口にした。
「なんでぼくがそんなことしなきゃならないんだよ!」
「犯人、あのパーカー野郎の背丈、低くて、ガリガリして弱そうな感じだった」
「ふきゃーーー!」
八王子は髪の毛逆立て怪鳥のような奇声を
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