第六章
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「別にね、じゃあね」
「ええ、ちょっと集まりとかにね」
「顔出してくれるね」
「そうさせてもらっていいかしら」
「喜んで、君の車を見る目の凄さには驚いたから」
自分のポルシェの手入れ具合まで見抜いたその目にというのだ。
「だからね」
「わかったわ、それじゃあね」
「是非参加してね」
「じゃあ連絡先は」
「ここだよ」
青年はここで名刺を出した、それは彼自身のものではなく同好会のものでそこには携帯の電話番号も書いてあった。
「ここに連絡してね」
「同好会の会長さんの電話番号ね」
「そう、多分日本一のポルシェ通よ」
「日本一のなの」
「凄い人だから、その人にも会ってね」
「わかったわ、じゃあ車好きとして」
玲は自分をこの立場として青年に応えた。
「参加させてもらうわ」
「それじゃあね」
こうしてだ、玲はその同好会に顔を出した。会長に連絡を取ったうえで。
そうして何度か同好会の親睦会やポルシェに乗る催し等に参加しているうちにだった。
「結婚が決まったのよね」
「同好会にいた人と」
「そう、その人はトラックの運転手だけれど」
こう恵美に喫茶店で一緒にコーヒーを飲む時に話した。
「物凄く車通でね」
「バリバリ働いてなのね」
「頼りになる人なのよ」
「まさにトラックの運転手って感じの」
「それでいて運転は繊細で丁寧でね」
「運転が繊細で丁寧ってことは」
「運転は性格、その人の地が出るでしょ」
玲は恵美によく言われることを話した。
「そうでしょ」
「よく言われるわね」
「そこまで見させてもらって」
「そうしてなの」
「色々とお話もして」
「結婚しようって決めたの」
「私の方から言ったの、そうしたらあちらの人も交際してる人いなくていい歳で」
玲にとって好条件が揃っていてというのだ。
「目出度くね」
「よかったわね、まさかね」
「ええ、ぱっと見てね」
「ポルシェを見てね」
「そこから結婚になるなんて思わなかったわ」
「そうよね、ただその玲に声をかけてきた人は」
恵美はここで玲にその青年のことを聞いた。
「やっぱり玲を」
「あっ、何かね」
「何か?」
「ナンパじゃなくて普通に会員になってくれそうな人を探していたらしいの」
「そうだったの」
「あの人もう結婚してるから」
「あら、そうだったのね」
恵美は今そのことを知った。
「それでなのね」
「そう、それで私にそんなものを感じて」
「肥をかけたらなのね」
「私はポルシェのことをズバズバ言ってね」
「びっくりしてなのね」
「再会した時にだったのよ」
「凄いお話ね、それも」
恵美はここまで聞いて思わず唸った。
「本当に」
「そうよね、けれど私車が好きでよかったわ」
「お仕事に
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