暁 〜小説投稿サイト〜
空に星が輝く様に
217部分:第十六話 深まっていく疑惑その三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

第十六話 深まっていく疑惑その三

「昔からそういうことは駄目だからね」
「悪い?」
「お姉らしいけれどね」
 それは否定しなかった。妹としての気遣いである。
「それもね」
「私らしいの」
「まあ頑張れとは言っておくわ」
 これまでよりだ。温かい口調になっていた。
「私からはそれだけ」
「それだけなのね」
「そう、それだけ」
 こう話すのであった。
「頑張ってね、お姉もね」
「そうはするわ」
 こんな話をしてだった。二人は苺を食べることに戻った。星華はここでは結局答えを出せなかった。何をしていいのかするべきか。わからなかった。
 そして次の日。また教室の教壇のところに来てだ。いつもの三人と話していた。話の内容はまずはもう少ししたら行われる運動会のことだった。
「星華ちゃん何出るの?」
「やっぱり短距離走?」
「体育委員からはそう頼まれてるわ」
 その通りだと三人の問いに答える。
「実際にね」
「じゃあ出たら?百メートルね」
「丁度いいじゃない」
「ええ。あと二百メートルも頼まれてるの」
 それもだというのだった。
「他にはね」
「他にも?」
「あとはハードル?」
「それもね。ほら、うちの陸上部ってあれじゃない」
 ここで自分のクラスメイトについて言及する。四人の目は自然にその彼女に向かう。黒いショートヘアのさばさばとした感じの女の子だ。
「長距離じゃない」
「短距離は駄目なのね」
「本人も言うのよ。短い距離はってね」
 三人にそうだろ話す。
「それよりも私の方がってね」
「そうなの」
「そういうこと。それであの娘からも頼まれたの」
 少し笑っての言葉だった。
「短距離で出てくれって」
「お墨付き?陸上部員からの」
「やったじゃない」
「ええ、結構嬉しいわ」
 笑って話す星華だった。
「出たら本当に頑張るからね」
「期待してるからね」
「優勝目指してね」
「そうするわ。優勝は四組よ」
 自分のクラスだと。これは断言だった。
「絶対にね」
「よし、じゃあ私達もね」
「頑張ろうね」
「出られるかどうかわからないけれど」
 それでもだと。お互いに話す三人だった。
 そのうえでだ。ふと月美を見る。そして言うのだった。
「あいつはどうかしら」
「何か陸上競技無理っぽいね」
「そうね」
 忌々しげな目で見ながら話す。
「あの胸じゃね」
「どうせまた男たぶらかすんでしょうけれど」
「それでもね」
「そうよね。出ないのに人気だけはあるって」
 星華もだった。忌々しげな顔で三人の言葉に頷く。
「嫌な奴よね」
「全く。クラス委員の仕事も碌にしないし」
「っていうかできない?」
「そんな奴だし」
 四人で無理矢理委員にしたことはここでは考えも
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ