第四章
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「わかります」
「あの車はか」
「はい、二百万どころか」
「十万か」
「外車ですね、ベンツですが」
「高級車だがね」
「前に色々あってあちこち傷ついてよからぬものも感じます」
ここでオカルトも話した玲だった、車について調べているうちにそうした話も否定しない様になったのだ。
「ですから」
「十万と言って」
「はい、追い返しましょう」
「それではね」
こうしてだ、玲が車を隅から隅まで見てだった。その客に言った。
「十万でどうでしょうか」
「おい、俺は二百万と言ってるんだぞ」
客は怒って玲に言い返した。
「これはベンツだぞ」
「はい、ベンツなのはわかりますが」
それでもと言う玲だった。
「何度か轢いたり撥ねたりしていますね」
「な、何を言うんだ御前は」
「車に跡が残っています」
玲は客に冷徹な声で答えた。
「ですからわかります」
「そんなことあるか、この車はベンツだぞ」
「ベンツでも車は車です」
ここでも冷徹に言う玲だった。
「猫や狸を轢くことも人を撥ねることがあります、その跡は絶対に残ります」
「何処にそんな跡があるんだ」
「ここに」
玲は自分が見たその跡を指さして客に話した。
「ここにあります、轢いていたからタイヤの駆動の部分が微妙に違っています」
「そ、それは」
「そしてここはです」
前のじっくり見れば微かにへこんでいる部分も指差した。
「人を撥ねた跡ですね」
「くっ・・・・・・」
「そうしたものを見れば」
「わかるってのか」
「はい、そして他にも色々なことがありましたね」
玲は客を追い詰める様にして言っていった、とはいってもその顔は仮面を被っている様にクールなものだ。
「そうですね」
「どんな証拠だ」
「それも申し上げさせて頂きます」
玲は客にさらに言っていった、そのうえで客に対して述べた。
「十万かと」
「それ以上の買い取りはか」
「出来ません」
きっぱりと客に言い切った、それを聞いてだった。
客も苦い顔で去った、そして後日だった。
店長は玲にその客のことを話した。
「前にベンツを売りつけようとしたお客さんいたね」
「あの事故車ですね」
「うん、何かあの時君に言われて怒って帰った時にね」
「何かあったんですね」
「飲酒運転をして橋から落ちてね」
「死にましたか」
「そうなったらしいよ」
こう玲に話した。
「何でも学校でも生徒に暴力は振るったりやりたい放題だったらしいね」
「やっぱりそうした人だったんですね」
「飲酒運転する様な人だからね」
「危険な人だと思いましたが」
「実際にそうだったね」
「そうですね、あのお客さんも問題ですが」
玲は店長にさらに話した。
「やっぱり」
「車もだね」
「
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