第三章
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「それならな」
「倒れたらもうこっちのものだ」
「後は喉を突くなるして倒せばいい」
「それならな」
「もっと集めて何人かに分かれて攻めるか」
「そうしていくか」
仲間の戦士達も頷きました、そうしてでした。
彼等は戦士をもっと集めました、それこそ集められるだけです。そうして実際に何人かに分かれて幾つかのグループを作ってです。
そうして巨人のところに行ってでした。
幾つかのグループが巨人の周りを回って襲おうとします、その時に弓矢や石を投げて攻撃するので。
巨人もそっちに注意がいきます、それで二つの頭で言うのでした。
「どっちだ」
「どっちから来るんだ」
「幾つも分かれているからな」
「どの連中から倒す」
「どの人間達から倒せばいい」
「どう動くんだ」
巨人は人間達のグループの動きに戸惑い攻撃をかわしつつもそれでもでした。
どのグループからやっつけようかと困っていました、そして。
巨人は二つの頭で自分の周りを駆け巡りながら弓矢や石で攻撃してくる人間達に注意を集中させる様になりました、その間に。
他の人間のグループがそっと巨人の足元に近寄ってでした。
樵が木を切る様にしてです、巨人の二つの足の腱に。
斧を思いきり何度も当てました、すると巨人の足の腱が両方共切れてしまって。
巨人は倒れてしまいました、すると人間達は仰向けに倒れてしまった巨人に一斉に近寄ってでした。
二つの頭の喉を切ってそうして止めをさしました、こうして人間達は二つの頭を持つ厄介な巨人を退治しました。
その一部始終を見終わってです、ロキはトールに尋ねました。
「人間達はやったな」
「そうだな、俺が出向くまでもなかったな」
「人間は俺達に比べてずっと小さいし力もyを会いさ、しかしな」
「知恵があるからか」
「ああ、だからああしてな」
「頭が二つある厄介な巨人もか」
「頭を使って工夫してな」
そうしてというのだ。
「やっつけるんだよ」
「そうだな、人間といえど馬鹿に出来たものではないな」
「そして面白いな」
ロキは笑ってトールにこうも言った。
「ああして知恵と力を尽くして力を合わせてことを為すのが」
「ああ、確かにな」
「あれが人間だ、だから今回はあんたが動くまでもなかった」
「そうだな」
「そうしたことでな、今回は人間の見事な戦いを祝って乾杯しよう」
「よし、では酒と肉を出す」
そうしたものをとだ、トールは自ら言った。
「二人で乾杯をしよう」
「それじゃあな」
ロキもトールの言葉に笑顔で応えた、そうして二柱の神々は共に酒と馳走で祝った。人間達の見事な巨人退治を。
エティン 完
2018・4・11
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