第二章
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「喧嘩なら負けない」
「そうだよな」
「片足だがその辺りのゴロツキならな」
それが何人いてもというのだ。
「鯨と比べるとな」
「何でもないな」
「ああ、本当にな」
「なら頼めるか?俺じゃ相手にならないんだ」
親父はラム酒を飲み続ける船長に困った顔で話した。
「とにかく物騒な連中でな」
「わかった、ではわしが勝ったらな」
その時の話もだ、船長は親父に話した。
「暫く飲み放題でいいか」
「いいさ、じゃあな」
「店の裏手だな」
「そこに行ってくれるか」
「すぐに終わらせてくる」
こう言ってだ、船長は今飲んでいるラム酒を一杯飲み終えるとゆっくりと席を立った。そうしてだった。
店の裏手に行くと確かに若い小柄な娘、船長もよく知っている店の親父の娘が五人位の如何にもという感じのゴロツキ達に絡まれていた。ゴロツキ達は如何にもという好色な顔をしていて娘は困り果てていた。
船長は彼等のところにゆっくりと近付くこう言った。
「おい、止めろ」
「何だ手前」
「何処のどいつだ」
「この港町でわしを知らないか」
船長はゴロツキ達のこの言葉から察したことがあった、そしてその察したことを彼等に対して告げた。
「御前等余所者か」
「それがどうしたんだよ」
「それが悪いのかよ」
「そうさ、俺達はテキサスから来たんだよ」
「この港町までな」
「そうか、テキサスで何かやってか」
船長はゆらりとした仕草で彼等に近寄りつつまた言った。
「ここに逃げてきたか、しかしな」
「しかし?」
「何だよ、一体」
「この港町で馬鹿なことはするな」
船長はこう彼等に告げた。
「船乗りは荒っぽい、チンピラが好き勝手出来る場所じゃないぞ」
「何っ、誰に向かってもの言ってんだ」
「俺達はテキサスでちょっと鳴らしたんだぞ」
「それこそ何人殺ってきたと思ってる」
「手前も殺すぞ」
「言いたいことはわかったから出て行け」
この港町からというのだ。
「すぐにな、ここは御前等のいていい街じゃない」
「片足で何言ってやがる」
「五体満足でもないのに俺達に勝てるってのか」
「こっちは銃だってあるんだぞ」
「それでも勝てるってのか」
「ああ、御前等位なら素手で充分だ」
船長はゴロツキ達をゆらりとした動作で見つつ答えた。
「わしならな」
「よし、言ったな」
「吐いた唾飲むなよ」
「返り討ちにしてやる」
「爺だからって容赦しねえぞ」
ゴロツキ達はそれぞれ拳銃を出して船長に向かった、だが船長は彼等に対して。
すすす、と音もなく動いた。片足だったが義足を本来の足の様に使ってそうしてだった。男達が動くよりも早く近付き。
彼等を瞬時に投げ飛ばし急所に拳を入れて叩きのめした、そうしてから倒れ伏している彼等に対
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