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アイギストス
第一章
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でも険しく鋭い、その彼に言うのだった。
「覚悟は出来ているな」
「ふん、ここまで誰も貴様を止めなかったのだな」
「そうだ」 
 オレステスは堂々と答えた。
「だから私はここまで来た」
「そうだな」
「貴殿の味方は誰もいない」
 このことも言うオレステスだった。
「それこそな」
「そうだな、私の様な悪人には誰もな」
「わかっているのか」
 オレステスはアイギストスの今の言葉に目を動かした、そのうえで彼に問い返した。
「自分が悪人だと」
「何故思わずにいられる」
 アイギストスは玉座からこう返した。
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