第68話 第6次イゼルローン攻略戦 5
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動など辺境警備艦隊に任せれば良い。此は命令だ!」
次第に温厚なリンチ中将の声が冷淡に変わるのがオペレーター達には判るが、焦っているコーネルには判らない。
『命令、命令ですか、その命令を出す根拠を示して頂きたいですな』
「何だと!小官は宇宙艦隊総司令官代理だ、その命令は絶対である!!」
『ふむ、小官の所に先ほど、国防委員長、統合作戦本部長、宇宙艦隊司令長官、お三方の命令でコーネフ中将を収監せよとの命令文が届いております』
「何だと!!」
『従って、小官は貴官に命令される謂われはないわけです。コーネフ中将、貴官を収監します』
「そんな馬鹿な!俺が何をしたと言うんだ!」
哀れなとリンチはコーネフを見ながら罪状を上げる。
『敵前逃亡罪、此だけで充分でしょう』
「逃げてなど居ない、転進しただけだ!」
『ご託は軍法会議で並べてください。艦長コーネフ中将を収監せよ』
リンチの言葉に反応してナバデア艦長以下数人がコーネフに近づき素早くブラスターを取り上げ、手錠をかける。
「離せ!」
『艦長、コーネフ中将を独房へ、貴艦隊は小官の指揮下へ入れ』
「はっ」
旗艦からの通信が終わった後、リンチ提督は傍らにいた少佐に声をかけた。
「アッテンボロー少佐、こんなもんで良いかな」
「流石です、提督」
「ヤン・ウェンリー准将には負けるがね」
戯けるように片目を瞑って苦笑いするリンチ中将の姿に艦橋では笑いが起こった。一通り笑い終わった後、リンチ提督が真剣な表情で命令を下す。
「各艦隊、イゼルローン要塞から帰投する味方艦隊の援護を行う、回廊出口にドーナッツ状に部隊を配置し追撃してくる敵をたたき返す」
「閣下、回廊内へ侵入しないのですか?」
「参謀長、下手にあの狭い回廊に入れば、後退してくる味方と鉢合わせで混乱するだけだ」
「なるほど」
「態々、ダゴンの第1、パランティアの第2、アスターテの第3辺境警備隊まで動員したんだからな。盛大にお出迎えしてやろう」
「「「「「応!」」」」」
第11艦隊の参加はシトレとリーファ達がコーネフの作戦を危ぶんだ結果、特命でリンチ司令官に命じたものであった。
宇宙暦794年 帝国暦485年12月5日 午後11時
■イゼルローン回廊同盟側出口
撤退し続けた同盟艦隊は、遂にイゼルローン回廊を抜け同盟領へ逃げ込み始めた。既にリンチ提督からの連絡で、第11艦隊と3個辺境警備隊、21,000隻が回廊出口で罠を張っているとの事で後の事を考えずに一気に同盟領へと遁走した。
帝国軍はメルカッツ提督が余りに早い遁走に違和感を覚えて追撃の速度を抑えさせたが、ゼークト提督はライバルになった、メルカッツ提督が同じ大将でありながらも次期宇宙艦隊司令長官に成る事で焦り、追
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