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とある3年4組の卑怯者
160 約束事(デート)
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はやや照れた。笹山は車椅子に乗り、藤木がそれを押すことになった。
「それじゃ、行ってきます」
 笹山は看護師に告げた。
(笹山さんと二人でスケート場なんて、まるでデートだな・・・)
 藤木の心はもはや幸せの絶頂だった。その時、二人は野口とすれ違った。
「あ〜ら、藤木に笹山さん・・・」
「野口さん」
「野口・・・」
「二人でデートかい・・・?いいねえ・・・。クックック・・・」
「う・・・」
 藤木と笹山は顔を合わせるとお互い顔を赤くした。
「うん、一緒にスケート場に行って笹山さんに大会での演技を見せてあげようと思ってね」
「そうかい・・・。それじゃ、楽しんでおいで・・・」
「うん、あ、野口」
「何だい・・・?」
「野口は大会の応援に来てなかったけどどうしてたんだい?」
「あー・・・。ドリフの収録を観に行ってたんだ・・・。生で観たんだよ・・・。クックック・・・」
 野口はそう言って去った。
「流石、お笑い好きの野口さんね」
「うん、ドリフを生で観るなんて凄いね」
 二人はスケート場へと向かった。

 スケート場に到着した。笹山は滑れないので観客席から見ることになった。
「それじゃあ、大会でやったのと同じ演技見せるよ。
「うん、楽しみだわ」
 藤木は笹山の乗っている車椅子を受付に預けた。
「歩けるかい?連れて行くよ」
「藤木君、ありがとう・・・」
 藤木は笹山の両手を取り、連れて行った。笹山は何とか藤木の手を借り階段を昇る事ができた。
「怪我の方は大丈夫かい?」
「うん、前よりは傷口も塞がった所があるわ。足も杖があれば歩けるわ」
「うん、早く治って欲しいよ」
 藤木は笹山を観客席の一番見える所に座らせた。
「それじゃあ、見ていてくれよ」
「うん」
 藤木はリンクへと向かった。

 1組の本郷、2組の横須、3組の鹿沼、5組のひろ子は丸尾の家に集合していた。この五名を合わせて「学級委員隊」を組成している。
「皆様、本日はズバリ、お集まりしていただき、誠にありがとうございます!」
「で、会議って内容は何だい?」
 横須は聞いた。校内テロの時、隣町の暴れん坊の子分から鋸で頭を切られた傷は塞がれ、しばらく巻いていた包帯も取れていた。
「実は、ワタクシのクラスの藤木君についてなのですが・・・」
「藤木君かい?彼はスケートの大会で銀賞だったってね。凄いよ」
 鹿沼が藤木を褒めた。
「はい、今度藤木君が世界大会に出るためにカナダへ向かうのです!」
「それ昨日校長先生が言ってたし皆知ってるよ」
 ひろ子はたまえからも聞いているため驚かなかった。いや、皆もよく知っていた。
「それで今日集まったのは藤木君に何かしてあげたいって事かい?」
「さすが、ズバリ、図星でしょう!」
 丸尾は本郷に言
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