210部分:第十五話 抱いた疑惑その十四
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第十五話 抱いた疑惑その十四
「そこまではさ」
「そうですか」
「男って意外と動きが悪いのかもな」
「お化粧までできないからですか」
「だと思うよ。そりゃ男でも化粧するのはいるけれど」
このことは断った。
「けれどそこまではさ」
「しませんか」
「うん、ちょっとね」
こう話す。
「男のそうしたことって時間かかるんだよな」
「ああ、つまりこういうことですね」
月美はここでわかった。
「男の人のそういうことって」
「そういうことって?」
「凝ってしまうんです」
こう話すのだった。
「つまりは」
「凝るって?」
「例えば男の人のお料理って凝りますよね」
「そういえばうちの親父もたまに料理をするけれど」
自分の父親のことを思い出してみた。するとよくわかることだった。
「確かにな。時間もお金もな」
「特に時間ですよね」
「うん、随分とかかるよ」
「それと同じだと思います。男の人は凝りますから」
「けれどお風呂とかシャワーもかな」
「そうだと思います。男の人って体臭気にしますよね」
「ああ、確かに」
言われてみればそれもその通りである。男の方が体臭はきつい。そのことはどうしても気になってしまうことである。陽太郎にしても同じだ。
「汗の臭いにしても何にしても」
「だから余計にお風呂とかに時間がかかると思います」
「そういうものなんだ」
「私はそう思いましたけれど」
「言われてみればそうかな」
月美の言葉を受けて考える顔になった。
「やっぱり」
「女の子って体臭はあまりしませんから」
「っていうかいい匂いがするし」
こう月美に述べる。
「正直言って」
「そうですか?女の子の匂いってあるんですか」
「あるよ、それはね」
その通りだと述べる。
「月美だって今は特に」
「シャンプーとボディーソープですよ」
「いや、それでもいい香りがするよ」
そうだと言う。
「今だってさ」
「そうですか」
「そうだよ、本当に」
こう話す。
「それでかな。そういうのもあるかな」
「女の子ってとにかく時間ないですし」
「そんなに?」
話がここで戻った。月美が戻してきたのだ。
「時間ないの?」
「髪の毛もそうですしメイクもですし」
「そういったことが全部積み重なってなんだ」
「そうです。それで時間がないんです」
月美の話によるとだった。それは一つだけではなかった。多くのことが積み重なってそれで時間がないというのであった。忙しい話である。
「女の子って」
「それでそれをこなしていく為に」
「何でも手早くってのが無意識のうちについていくんだと思います」
「おっとりしてるってわけじゃないんだ」
「私かなりおっとりしてるって言われますけれど」
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