アキトとビビ
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う。
ビビはそんな彼女に縋りつく。
だが、慌てふためくビビとは対照的にナミは至って冷静であった。
「ナミさん、何でそんな冷静なの!?」
「落ち着きなさい、ビビ。あっちにはアキトがいるのよ?」
背後を振り返ることもなく、ナミはそう豪語する。
ナミの言葉にはアキトに対する信頼が溢れていた。
「何をやっているんだ、お前ら?」
そして、ナミの想いに応えるようにアキトの声が大浴場に響く。
「何だ…!?」
「体が引っ張られる……!?」
途端、ルフィ達は不可視の力で引き寄せられ、地面に叩き付けられた。
「何か弁明は?」
そんな彼らの眼前には静かに腕を組みながら仁王立ちしているアキトの姿が
顔が全く笑っていない。
恐ろしい程の真顔である。
少し遅れて遅れて風呂場に到着したアキトが大浴場に入れば覗きをしているバカどもの姿があった。
言うまでもなく絶許ものだ。
「こ、これはアキトくん……」
「ははは、アキト……」
「先ずは話でも……」
「ちょっと待って頂けないでしょうか、アキト様」
ウソップがアキトを落ち着かせようと懇願する。
冷や汗が止まらない。
この場にて覗きをしていた全員の顔が真っ青であった。
普段穏やかなアキトが怒ったときの恐ろしさは凄まじい。
見れば普段、あの無頓着なルフィまでもが正座している。
ゾロとチョッパーは我関せずといった様子である。
「お前らに言っておくことがある」
「女性の体を軽い気持ちで覗き見るのはやめろ。そういったことは交際している男女が合意の上で進める行為だ。軽々しい気持ちで覗きなんてするもんじゃない」
常識を兼ね備えているアキトは覗きをいう行為が許せない。
それを軽々しい気持ちで行うことが
怪我人とは思えない程の凄まじい眼光で、ルフィ達を威圧する。
見れば感情の高ぶりの影響か、周囲には微風が吹き、大浴場の湯気を一掃している。
ルフィ達は余りのアキトの迫力に首肯することしか出来ない。
「お前ら二度と覗きなんて真似するなよ」
アキトはルフィ達に念を押し、話を締めくくる。
許してくれたのだろうか。
「わ、分かった。すまねえ、アキト」
皆一様に安心したようにほっとし、脱力した。
「まあ、許すなんて一言も言っていないんだがな」
しかし、それで許すアキトではない。
さあ、リハビリも兼ねた運動の時間だ。
「ルフィー!?」
「邪魔をするな、アキト!」
「狼狽えるな、お前らァ!アキトも一人の人間だ、人海戦術だ!」
「無駄無駄ァ───!」
アキトはサンジを中心とした反撃を迎え撃つ。
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