暁 〜小説投稿サイト〜
武装神姫 〜心と心の最前線(Front Line)〜
第一章 『ユウナ』
第5話 自覚
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 1週間後、バトルコーナーにて・・・


 「マスター! 今です!」 「FINISH」

 またできなかった。まだシミュレーションなのにこのざまだ。10回中10回とも回避できない。いつ来るのか決められたタイミングで射出されるエネルギー弾。だが全く目で追うことができず避けるは愚か防ぐことすらままならなかった。

 「えっと・・・マスター、それでは私がサポートします。 私が動くタイミングに合わせてマスターも動いてみてください。

 来ます! いm・・・ あれ? 今でs・・・ ん?」

 結果、結奈に合わせようとすると動きが一致せず何もできなかった。

 「やはりライドオンしているとはいえ、マスターもマスターの意思があり、私にも私の意志がありますから・・・、お互いの意思が反発してしまうとしたらどちらかが委ねるしかないのでしょうか・・・。」

 こうなってしまうとお手上げだ。一筋縄ではいかないシステムだと感じる。いざ真剣に向かい合って考えてみようとすると、うまくいかないということを突きつけられてしまう。今までどうやって戦えていたのかさえ、良くわからなくなってきた。

 「おぉ! やっとるなぁ! なんやさっきから演習ばっかりでつまらんやろ、こん1週間何もせんとつったっとっただけやと違うんやろ? 勝負の中でも見つかるもんはあるで?」

 「うぅ〜。(声が大きすぎます・・・。)えっとですね、つまりマスターは稽古をつけてあげようと思っているんですよ。」

 「っなぁ、あいちゃん! ゆうたらあかんよ。ワシは細かいことは苦手やからホンマに勝負するつもりやったんに・・・。」

 「あ、そうだったんですか? それはすみませんでした。(あっ、いつの間にかこんなに囲まれています・・・。静かに過ごすことはできないのでしょうか・・・。)ビクビク」

 「マ、マスター。大丈夫ですか?その、ゲンさんは・・・。」

 ここで逃げるわけにはいかない。彼らと戦えたことで自分自身と結奈に向き合うことができた。戦いの結果がどうであれ変わるためのきっかけをくれたのはほかでもない彼らである。私は結奈やゲンさん達に戦う意志を見せた。

 「おっ、やる気はあるようやな。だったら、いっちょいきますか!」

 「RIDE ON」 「READY GO!!」

 意識を結奈に集中する。結奈が見ている視界、結奈が聞いている音に自分も判断を委ねる。相手の動きに注目しながらゆっくりと間合いを詰め、出方を伺っているようだ。

 「そちらから来ないのなら、こちらから攻めていきます!」

 こちらにめがけて一直線にレールが敷かれた。

 「来ます! 構えて!」

 一気に間合いが詰まる。突然のことに驚いたが結奈は変わらずあいの姿を捉えている。
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