209部分:第十五話 抱いた疑惑その十三
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第十五話 抱いた疑惑その十三
「暑過ぎて」
「そうそう。それでさ」
「はい、それで」
「シャワー浴びた後メイクとかする?」
「はい、それは」
するというのである。今では高校生でもメイクをするのが普通である。月美も普通の高校生でありこれはもう当然のことになっていた。
「ナチュラルにですけれど」
「ナチュラルメイクなんだ」
「はい、そうです」
まさにそうだというのであった。
「少ししてるだけで」
「女の子って何かと大変なんだな」
陽太郎は自分の左横に来た月美の話を聞いてこう述べた。
「やっぱり」
「大変ですか?」
「その長い髪洗わないと駄目じゃないか」
月美の髪は見事なロングヘアである。まずはそれを見て言ったのである。
「その髪の毛さ」
「別にそれは」
「慣れてるからだよ。お風呂の時とかもまとめるんだよな」
「湯舟に入ると困りますから」
だからだという。実際に髪が長いとそれで後ろや上で束ねてから入るものである。月美もそうしていると陽太郎に対して話すのである。
「それで」
「面倒臭くない?本当に」
「いえ、別に」
本人はこう返す。
「そんな風に感じたことは」
「ないんだ」
「子供の時からこの髪型ですし」
「ロングだったんだ」
「だから別に」
また言う月美だった。
「そう感じたことはありません」
「そうなんだ」
「はい、そうです」
また答える。
「本当に」
「いつもしてるからかな」
「多分」
月美も陽太郎の言いたいことや考えていることが掴めてきたのでこう返した。
「そうだと思います」
「そういうものなんだ」
「はい。私これでもシャワーからメイクまで二十分です」
「あれっ、それだけなんだ」
「長くないですよね」
「長くないっていうか短いよ」
率直に感想を述べた。
「髪も洗ってだよね」
「はい」
「それで二十分ってやっぱり短いよ」
「勿論全部奇麗にしています」
その証拠に今の彼女からはいい香がする。シャンプーとボディーソープの香りだ。その香りはどちらも薔薇を思わせるものである。
「清潔に、って思ってますから」
「ううん、それでメイクまでして二十分かあ」
「そうですけれど」
「やっぱり短いよな」
陽太郎はまた言った。
「それってさ」
「そうでしょうか」
「いや、俺も二十分だけれどさ」
彼もそのかかる時間を話す。
「服まで着てだよ。尋常な早さじゃないよ」
「皆そんな感じですけれど」
「皆なんだ」
「手早くしないと」
こんなことも言ってきた。
「ですから」
「女の子って凄いな」
「凄いですか?」
「ああ、凄いよ」
そしてこんなことも言葉として出した。
「男にはできないよ」
「できると思いますけ
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