第五十六話 幸先よい勝利その三
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「しかしね」
「はい、進むならですね」
「常陸から攻め入るべきですね」
「水戸まで抑えて」
「そうして」
「国は手に入れていかないとね」
この考えも強くあった、軍師である芥川は東国の国を手に入れていきその分相手の国力を奪いつつ戦を進めていこうと考えているのだ。
「一つずつね」
「多少時間がかかっても」
「そうしていってもですね」
「相手の国を奪っていき」
「そしてからですね」
「東国もですね」
「そうなるよ、まあ今はね」
まさにと言うのだった。
「この城を修繕しようね」
「ですね、徹底的にやりましたからね」
「大砲に大蛇にで」
「いやあ、攻める時は滅茶苦茶攻めましたけれど」
「今見ると凄いですね」
「ははは、後でふと気付くものだよ」
やり過ぎた、そのことがというのだ。
「こうしたことはね」
「ですね、攻めた後で」
「しまったとか思いますね」
「やり過ぎたって」
「その様に」
「そうだね、あたしなんかこうした性格だろ」
朱槍を右肩に担いで持った姿勢でだ、玲子は笑って話した。
「だからついつい調子に乗って暴れてね」
「後で、ですね」
「やり過ぎたってなるんですね」
「そうなんですね」
「そうなんだよ、遊びだって戦で暴れる時だってな」
それこそとだ、豪快な感じの笑顔で兵達に話した。
「気付くんだよ」
「そこ玲子さんらしいですね」
「どうにも」
「玲子さん頭に血が登りやすいですし」
「すぐに熱くなるし」
「こっちの世界じゃ三度の飯と遊びと酒と喧嘩が趣味だからね」
もっと言えば生きがいだと言っていい。
「特に飲んだり喧嘩になるとね」
「ついついですね」
「後で気付くんですね」
「そうした事態になるんですね」
「そうなんだよね、今回はそんな感じだね」
厩橋城での戦はというのだ。
「派手にやっちまったよ」
「大砲バカスカ撃ちましたし」
「八岐大蛇もいましたし」
「攻めるなら徹底的にっていう軍師さん言ってましたし」
「それでこうなりましたね」
「ああ、けれど壊したからにはね」
それならというのだ、戦の後は。
「修繕しようね」
「頑張ってそうしましょう」
「わし等総出で」
「そしてそれが終わってからですね」
「そのうえで」
「ああ、頑張ろうね」
玲子は自ら動いて城の修繕にあたった、綾乃が率いる兵達は工兵達を中心として厩橋城の壊れた部分を修繕していった、修繕は順調だったが。
それでもだ、綾乃は修繕の状況を見て自身も術で働きつつこんなことを言った。
「機械がもっとええとな」
「ああ、アメリカで最近出て来たっていう」
「重機やな」
「そうしたのがあればか」
「余計にええか」
「そう思ったわ、うち等の世界でもあるけれど」
工
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