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空に星が輝く様に
208部分:第十五話 抱いた疑惑その十二
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第十五話 抱いた疑惑その十二

「それだけ」
「それだけ?」
「そう、うふふ」
 ここまで言って不思議な微笑みを浮かべてみせる。そんな彼女だった。
 そんな話をしながら二学期のはじまりの時を過ごしていた。部活は当然その二学期のはじまりにもある。暦では秋とはいえまだ暑かった。
「あっついよなあ」
「全く」
「何なんだよこの暑さ」
 部活の後で防具をなおしながら言い合っていた。
「一応もう秋なんだろ?」
「ああ」
「そうだよ」
「それでこんなに暑いのかよ」
「昨日は何日だ?」
 だがここで先生が言ってきた。
「昨日は何日だ?」
「八月三十一日です」
「夏休みの終わりです」
 すぐに生徒達は答えた。
「夏の最後の日です」
「残念な日でした」
 何故残念というとだった。夏休み最後の日に他ならない。
「それで終わりなんて」
「いつも悲しい日ですよ」
「たった一日だ」
 先生はここでまた言った。
「それならまだ暑いのも当然だ」
「そういうことですか」
「つまりは」
「そうだ。まだ気温は全く下がっていない」
 そのままの事実だった。先生が今話したのはだ。
「わかったな」
「よくわかりました」
「まだ暑い理由が」
「残暑だ。暫くは我慢しろ」
 先生はこうも話す。そしてこんなことも告げた。
「水分はよく採っておけよ」
「あっ、はい」
「わかりました」
「熱中症になるからな。剣道部は余計に気をつけろ」
 防具を着けているからだ。そうなるのは自明の理である。
「さもないと本当に倒れるからな」
「それと後で身体を冷やさないと駄目ですよね」
「やっぱり」
「清潔さの為にもシャワーも浴びておけ」
 それも言う。言うべきことは言う先生である。
「終わったら身体を冷やしておくことも大事だ」
「熱中症の為にもですね」
「やっぱり」
「まあ身体を冷やすのは良し悪しだがな」
 腕を組んでの言葉だった。
「それでも熱中症には気をつけることだ」
「そうですよね。暑いままじゃ苦しいですし」
「尚更ですね」
「頑張るべきだが無理はするな」
 先生の言葉は一つ一つ丹念に考えられたものであった。
「わかったな」
「わかりました」
「じゃあ掃除の後でシャワーですね」
「しっかりと奇麗になれよ。清潔にな」
 最後に言うのはこのことだった。こうした話の後でだった。
 陽太郎もまたシャワーを浴び帰路に着く。その時だった。
「あっ、陽太郎君」
「ああ、そっちも終わったんだ」
「はい」
 月美だった。さらりとした雰囲気で来たのである。
「シャワーを浴びて」
「浴びないともういられないよな」
「はい、とても」
 見ればであった。まだ半分濡れている髪の毛が艶かしく光っている。黒い
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