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一人での墓参り
第二章
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「叔母さんに育てられてましたから」
「お二人だけの家族でしたね」
「俺が物心ついた時にはそうでした」
 銀の両親は彼が赤子の時に交通事故で亡くなっている、居眠り運転のトラックに歩道を歩いている時に突っ込まれたのだ。
「いつも可愛がってもらいましたけれど」
「その叔母様もでしたね」
「死にましたからね」
 墓を見つつだ、銀は住職に話した。
「金がなくて病院にも行けなくて」
「それで、ですね」
「死んで。住職さんがお墓を提供してくれなかったら」
「お墓もなかったというのですね」
「そうなっていました」
 今の墓は彼が建てた、見事な墓だが金は全て彼が出したのだ。最初は質素な卒塔婆程度だったが見事な墓石のものにしたのだ。
「そのこと感謝してます」
「いえ、拙僧は粗末な墓しか用意出来ず」
「それで充分ですよ、墓は俺が立派にしましたから」
「だからですか」
「はい、それだけでいいです」
 卒塔婆程度の墓でもというのだ。
「それで、それで今月も有り難うございます」
「供養の経ですね」
「本当に」
「それは当然のこと。ですが」
「ええ、叔母さんに言われてますよ」
「お金があってもですね」
「人として最後の一線は踏み外すな」
 銀は墓にまだ汚れがあるかチェックしつつ住職に応えた。
「相手の首を吊らせたり殺したり」
「そうしたことはですね」
「するな、俺悪党ですが」
 自覚している、このことは。金は何としても手に入れる、それだけをがむしゃらに考えて生きていることも。
「人の命を奪う様なことは」
「されないですね」
「悪党でも外道になったら」
 それこそというのだ。
「叔母さんが悲しみますからね」
「そうです、拙僧もお願いします」
「わかってます、俺は金好きですけれど」
「外道にはですね」
「なりません、それじゃあ」
「来月もですね」
「来させてもらいます」
 住職に深々と頭を下げてだ、そのうえでだった。
 銀は寺を後にした、それが終わってからだった。
 彼は日常に戻った、そうして金儲けに手を出すが。
 白銀華のメンバーから今度の仕事相手の話を聞いてだ、彼は難しい顔で言った。
「こいつはコスパが悪いな」
「だからか」
「しないか」
「こいつは只のワルじゃないだろ」
 今度の相手はというのだ。
「ヤミ金やってるな」
「ああ、そうだな」
「随分酷いこともしてるみたいだな」
「元々ヤクザだったしな」
「人を海に沈めたこともあるみたいだな」
「そんな奴は何時か絶対に捕まるだろ」
 銀は鋭い目になって言った。
「それでその時にな」
「俺達にもか」
「警察の捜査が及ぶか」
「そうなるかも知れないからか」
「俺達も結構やばいことしてるだろ」
 法律すれすれかアウトにな
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