第四章
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「一体」
「まあ流石にクッキーもね」
「そんなにまずくないんじゃない?」
「イギリスのクッキー食べたことないけれど」
「それでもね」
「そうよね、じゃあ紅茶も入れて」
紅茶は先生が絶対に必要だと言ってセットで作る様に言ったものだ、クッキーにはこれがないと駄目だと言って。
「そっちの用意もして」
「クッキーも焼いて」
「そのうえでね」
「ええ、今日も楽しみましょう」
理恵子は友人達の言葉に頷いた、そしてだった。
クッキーを焼いて紅茶を淹れた、どちらも美味かった。そうして家に帰って母に言って蛍の光を聴いたが。
その曲を聴いている時にだ、母に言われたのだった。
「その曲イギリスでは結婚式に歌われるみたいね」
「スコットランドではなの」
「そうよ、あちらではね」
「卒業式じゃないのね」
「それは日本だけでしょ」
この国限定だというのだ。
「あっちでは違うの」
「そうなのね」
「ええ、日本に入ってそうなったの」
「海軍でそうなったのよね」
「知ってるのね、そのこと」
「先生に言われたから。けれど日本とイギリスで」
理恵子はしみじみとした口調で母に話した。
「随分変わるわね、音楽もお料理も」
「同じものでもね」
「イギリスから入っても日本から入っても」
「変わるのよ」
「正直イギリスのお寿司は何これだったけれど」
理恵子は母にこのことも話した。
「あれもイギリスだからなのね」
「美味しくなさそうだったっていうの?」
「どうもね、けれどそれもよね」
「同じものでもよ」
「国によって変わるってことね」
「そうよ、じゃあお母さん晩御飯作るけれど」
「今晩は何なの?」
「肉じゃがよ」
母は娘に笑って話した。
「お父さんも好きだしね」
「ああ、ビーフシチューね」
「イギリスから入ったけれど」
それをというのだ。
「日本ではああなったのよ」
「そうよね、じゃあそのビーフシチューね」
「今晩はね」
「楽しみにしてるわ」
理恵子は母に笑って応えた、そしてだった。
蛍の光が終わったところで自分のクラスに戻った、そうして日本からイギリスに入った文化を色々ネットで検索したがとりあえず料理以外はいいと思った。それだけは別であったが。
蛍の光 完
2018・6・29
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