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蛍の光
第一章
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               蛍の光
 蛍の光という曲についてだ、その教師はまだ中学生である自分の生徒達に授業中に言った。
「夏の話だからな」
「はい、蛍はですね」
「夏の虫ですからね」
 生徒達もこう教師に返した。
「夏にあったことですよね」
「そうですよね」
「それで窓の雪はな」
 蛍の光に続くそれはというと。
「冬だからな」
「夏に冬ですか」
「その二つの季節ですか」
「夜に勉強する時にな」
 まさにその時にというのだ。
「蛍を集めてその灯りでな」
「本を照らしてですか」
「読んでたんですね」
「それで冬はな」
 この季節はというと。
「雪が月明かり反射するだろ」
「その光をですか」
「灯りにしてですか」
「やっぱり本読んで」
「勉強していたんですね」
「そうなんだよ、これは勉強したってことでな。それでな」
 教師は生徒達にこの歌についてさらに話した。
「元々海軍さんの曲だからな」
「海軍って」
「自衛隊じゃないんですか」
「昔は日本軍隊だっただろ」
 教師は授業の合間に話していた、教壇のところから。
「それでなんだよ」
「海軍で歌ってたんですか」
「じゃあ軍歌だったんですか」
「ああ、海軍兵学校って学校があってな」
 その海軍にというのだ。
「そこの卒業式で歌ってたんだよ」
「そうだったんですか」
「それが蛍の光だったんですか」
「あの歌なんですか」
「あれちゃんと作曲はスコットランド民謡って書いてるよな」
 教師は生徒達にこのことも話した。
「スコットランド民謡にあの歌詞を付けたんだよ」
「じゃあ元は違う曲だったんですね」
「スコットランドでは」
「そうなんですね」
「ああ、けれど日本に入ってな」
 そうなってというのだ。
「その時に海軍で歌われて」
「歌詞もですか」
「ああなったんですか」
「元は違う曲だから、それこそな」
 教師は笑ってだ、生徒達に今度はこの話をした。
「ビーフシチューと肉じゃが位違うな」
「ビーフシチューから肉じゃが出来たんですよね」
 生徒の一人が教師に行ってきた。
「そうですよね」
「ああ、これも海軍さんからでな」
「何かビーフシチューの食材でお醤油と味醂で味付けして」
「ああなったんだよ」
「そうでしたね」
「面白いだろ」
 教師はその生徒だけでなく他の生徒達にも笑って話した。
「ネッシーのスコットランドの曲がああなるんだよ」
「蛍の光ですか」
「あの曲になったんですね」
「それでビーフシチューもな」
 料理もというのだ。
「肉じゃがにもなるんだよ」
「全然違うものになってますね」
「日本に入って」
「それも全然違うものに」
「ああ、そうなるんだよ」
 教師は生徒達に笑ってそ
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