第5章:幽世と魔導師
第164話「憑依」
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、これだと皆の攻撃も押し潰され……なるほど……!)」
重力魔法は強力だが、それ故に敵味方の区別がない欠点がある。
だが、優輝はそれでもできる攻撃がある事に気づき、帝の所へ転移する。
「帝、とびっきりでかくて重い武器をぶっ放せ!」
「っ、おう!!」
―――“千山斬り拓く翠の地平”
優輝の指示に、帝は山をも斬れるほど巨大な剣を王の財宝から繰り出した。
その剣に触れ、優輝はもう一押しとなる魔法をかける。
「こいつで、どうだ!」
―――“Gewicht fach”
ドンッ!!
それは、重さを倍加する魔法。
その魔法によって、巨大な剣はさらに重さを増し、守護者めがけて落下する。
「(重力魔法で押し潰されるというのなら、元から押し潰す攻撃であれば問題ない!)」
落下による攻撃ならば、司の魔法とはむしろ相性が良かった。
「おまけだ!これも食らっとけ!!」
「ッ……!!」
―――“禍式・護法瘴壁”
ギィイイイイイイイン!!
巨大な剣と、優輝がダメ押しに創造して放った剣とレイピアが守護者に迫る。
守護者は重力魔法の影響を受けない瘴気で、それを受け止める。
ただでさえ身動きが難しい状況だと言うのに、それでさらに動けなくなる。
本来であれば、千載一遇の大チャンス。
守護者を倒すのに最適とも言える状況に持ち込んだのだが……。
「(障壁を突破する以外に、攻撃手段がない……!)」
そう。今障壁と拮抗している剣を押し込む以外に、守護者に攻撃する手段がない。
横からの攻撃では、司の重力魔法によって守護者まで届かないのだ。
「帝!この剣は多少の事じゃ折れないよな!?」
「ったり前だ!こいつは元ネタだと神話に出てくる剣だぞ!?」
「好都合!」
帝に剣が丈夫かどうか尋ねた優輝は、その返答に満足そうに笑う。
直後、転移魔法を二回使い、なのはを連れてくる。
「な、なにっ!?」
「この剣の上から集束魔法を打ち込んでやれ!」
「っ、そういうことか!」
「りょ、了解だよ!」
優輝の言葉に帝もどういう事か理解し、なのはも頷いてデバイスを構える。
「手っ取り早くこれも使っておけ!」
さらに優輝と帝が手持ちの魔力結晶を投げ渡す。
周囲の魔力を集束していては、時間がかかりすぎる。
そのため、時間短縮に使うように魔力結晶を渡したのだ。
「え、でも……」
「まだ予備はある!早く!」
「う、うん!!」
自分の分は大丈夫なのかと尋ねようとするなのはだが、優輝にそう言われて集束に戻る。
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