第5章:幽世と魔導師
第164話「憑依」
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
重なるように別の気配。これは……“憑依”、か)」
そして、同時に“パワーアップ”の内容を半分だけ知る。
自分も同じ状態なため、理解できたのだ。
「お待たせしました。……無事でしたか」
「一応僕は……だけどね」
優輝の横に来た蓮がそう話しかける。
そんな蓮の恰好は、八将覚醒によって変わっていた。
黒色の着物は赤を基調としたものへと変わっており、模様も華やかになっていた。
赤い帯は黒色になっており、腰からはカラスの羽と尾のようなものが生えている。
そして何よりも、その姿から感じられる気配が強くなっていた。
「“一応”……?もしや……」
「『……聞きづらいんだけど……優輝君、椿ちゃんと葵ちゃんは……』」
「っ……」
優輝の言葉と、いつも一緒にいるはずなのにいない事から、蓮も気づく。
そして、同じく気づいていた司が念話で聞いてきた。
「『……今は憑依している。それだけだ』」
目の前に集中するべきだと言わんばかりに、優輝はそれだけ言った。
もちろん、それだけじゃない事は司にもわかっていたが、それ以上は聞かなかった。
「(守護者から感じられる力が気絶する前よりも減っている。……さすがに弱っているか。戦力が足りているかはわからないが、負ける訳にはいかない)」
視線を巡らせ、戦える面子を確認する。
初対面の人物や式姫がいるが、自己紹介している暇はないと判断し、役割と出来る事を伝心を使って確認しておく。
「『蓮さんは近接戦……他の人たちは?』」
「『私は遠距離近距離どちらもいけるわ。織姫は支援と回復が主ね。それと、離れた所に……』」
「『土御門澄姫……私がいるわ。依り代とは会った事があるみたいね。私はとこよ……守護者の同期よ。……遠距離なら任せなさい』」
降り注ぎ続ける武器群と雷が吹き飛ばされる。
同時に、久遠が膝を着き、子供形態に戻る。
霊術を使い続け、力尽きたのだ。
「久遠!」
「っ、もう、ダメ……!」
アリシアがすぐさま戦線離脱させるために抱える。
……これで、時間稼ぎは出来なくなった。
「『貴方以外の動きはさっき見ていたわ!貴方は!?』」
「『僕も両方行ける!』」
「『わかったわ!じゃあ……』」
「『行くぞ!!』」
足止めがなくなったため、さっさと会話を切り上げて戦闘態勢に入る。
即座に優輝、鈴、奏、なのはが同時に駆け出す。
それを援護するように、澄姫が矢を、司が魔力弾と砲撃魔法を、帝が王の財宝による射撃と投影魔術による矢を放つ。
だが、それらは飽くまで巻き添えを起こさない程度の密度。
それでは守護者に当てる事は出来ない。
―――“霊魔相乗
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ