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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第164話「憑依」
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重なるように別の気配。これは……“憑依”、か)」

 そして、同時に“パワーアップ”の内容を半分だけ知る。
 自分も同じ状態なため、理解できたのだ。

「お待たせしました。……無事でしたか」

「一応僕は……だけどね」

 優輝の横に来た蓮がそう話しかける。
 そんな蓮の恰好は、八将覚醒によって変わっていた。
 黒色の着物は赤を基調としたものへと変わっており、模様も華やかになっていた。
 赤い帯は黒色になっており、腰からはカラスの羽と尾のようなものが生えている。
 そして何よりも、その姿から感じられる気配が強くなっていた。

「“一応”……?もしや……」

「『……聞きづらいんだけど……優輝君、椿ちゃんと葵ちゃんは……』」

「っ……」

 優輝の言葉と、いつも一緒にいるはずなのにいない事から、蓮も気づく。
 そして、同じく気づいていた司が念話で聞いてきた。

「『……今は憑依している。それだけだ』」

 目の前に集中するべきだと言わんばかりに、優輝はそれだけ言った。
 もちろん、それだけじゃない事は司にもわかっていたが、それ以上は聞かなかった。

「(守護者から感じられる力が気絶する前よりも減っている。……さすがに弱っているか。戦力が足りているかはわからないが、負ける訳にはいかない)」

 視線を巡らせ、戦える面子を確認する。
 初対面の人物や式姫がいるが、自己紹介している暇はないと判断し、役割と出来る事を伝心を使って確認しておく。

「『蓮さんは近接戦……他の人たちは?』」

「『私は遠距離近距離どちらもいけるわ。織姫は支援と回復が主ね。それと、離れた所に……』」

「『土御門澄姫……私がいるわ。依り代とは会った事があるみたいね。私はとこよ……守護者の同期よ。……遠距離なら任せなさい』」

 降り注ぎ続ける武器群と雷が吹き飛ばされる。
 同時に、久遠が膝を着き、子供形態に戻る。
 霊術を使い続け、力尽きたのだ。

「久遠!」

「っ、もう、ダメ……!」

 アリシアがすぐさま戦線離脱させるために抱える。
 ……これで、時間稼ぎは出来なくなった。

「『貴方以外の動きはさっき見ていたわ!貴方は!?』」

「『僕も両方行ける!』」

「『わかったわ!じゃあ……』」

「『行くぞ!!』」

 足止めがなくなったため、さっさと会話を切り上げて戦闘態勢に入る。
 即座に優輝、鈴、奏、なのはが同時に駆け出す。
 それを援護するように、澄姫が矢を、司が魔力弾と砲撃魔法を、帝が王の財宝による射撃と投影魔術による矢を放つ。
 だが、それらは飽くまで巻き添えを起こさない程度の密度。
 それでは守護者に当てる事は出来ない。

   ―――“霊魔相乗
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