第5章:幽世と魔導師
第164話「憑依」
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ならない。
「ッ……!」
頬を叩いて、意識を切り替える。
緋雪の時のように、落ち込んでしまわないようにして。
まだ、帰ってこないと決まった訳じゃないと、自分に言い聞かせるように。
「……行くぞ。今度こそ、決着をつける……!」
〈マスター……〉
「リヒトは防護服とグローブに集中しててくれ。武器は、これで行く」
心配するリヒトに、大丈夫だと言わんばかりに地面に落ちている刀を拾う。
その刀は、神降しが解ける寸前に創造した神刀・導標だ。
「……転移」
守護者の居場所はもう大体把握している。
魔力が大きく動いているという事は、司や他の誰かが守護者と戦っているのだろう。
だから、そこへ転移すればいい。
「(椿、葵……見ててくれよ……!)」
二人の意志を受け継ぎ、僕は戦場へと舞い戻った。
=out side=
「あ、ありがとう……」
「……」
転移した直後に、優輝はなのはを庇う形で戦いに割り込んだ。
渾身の一撃を投擲された槍に叩き込み、弾き飛ばしたのだ。
「『帝!ありったけの武器を叩き込め!!』」
「『っ、お、おうっ!!』」
直後に優輝は魔力結晶を一つ割、ありったけの武器群を守護者に向けて放つ。
同時に、念話で帝にも同じことをするように指示する。
「これ、で……!」
―――“五雷”
武器群だけでは守護者を抑えられない。
そう判断して久遠が連続で雷を発生させる。
一日の間に何度も戦った上に、全力を出しているため、久遠の力は長く保たない。
だからこそ、この場で出し切るように、守護者を足止めした。
さらに転移魔法を発動させ、一度なのはと共に間合いを取る。
「『状況整理!この戦いで死人は出ているか!?』」
「『いない!……はずだよ!少なくとも、私が知る限りは!』」
「『上等だ!』」
転移後、すぐに念話で死人が出ていない事を確認する。
これほどの相手に誰も死なずに済んでいるのは上出来と言えるだろう。
……尤も、神降しした優輝が戦う前に一般人に死人が出ているが。
「『蓮さんと……これは、式姫の気配か?一体何を……』」
優輝は近づいてくる複数の気配に気づく。
そこへ、アリシアから伝心が来る。
「『優輝!無事だったんだね!?端的に伝えるけど、今からパワーアップした蓮さん達が行くから一緒に戦って!』」
「『っ、了解!』」
短くまとめられたその情報だけで、優輝は大体を理解する。
要は、味方が増えると考えればいいだけだ。
「(一つの気配に
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