未来の君の言葉の真実は
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押されているアイリーン。攻撃を受け止めるとこに意識を集中させている彼女に、ウェンディの分離付加を防ぐ手だてはなかった。
「体から“私”を引き剥がすつもりか!?」
「ええ・・・こっちの方が魔力は上ですから」
「こいつ・・・何者・・・」
タフさを兼ね備えているウェンディの予想外の実力に動揺せざるを得ない。ウェンディはさらに魔力を高めていく。
「私の体、返してもらいますよ!!大きいお胸には憧れますけど、私はその小さな体で生きてきたんです!!」
「おのれぇぇぇ!!」
引き剥がされるのは時間の問題。そう感じ取ったアイリーンは現在の自身の体に傷をつけ始めた。
「何を・・・!!」
「これでもこの体に戻れるかぁ!?やっと手に入れた体!!渡さん!!絶対に渡さん!!」
これまでの苦しみから解放されるために、ピッタリの体を手に入れたアイリーンは何としてでもそれを守り抜きたい。そのためなら、多少の傷も厭わないのだ。
「身体中の傷は私が生きてきた証!!妖精の尻尾で戦ってきた勲章ですから!!
傷なんていくつ増えても構わない!!その体には大切な人たちと触れあった記憶が残っているんです」
小さな頃から友に生きてきたシリル、大事なときに力になってきたナツ、如何なる場面でも彼女を救ってくれたエルザ、他にもたくさんの人々との記憶がその体には残されている。その証を守るために、彼女は全身全霊でアイリーンを引き剥がし、自らの肉体を取り返した。
「エルザさん・・・」
「ウェンディ!!戻ったのか!?」
「はい・・・後は任せても・・・いいですか・・・」
魔力も肉体も限界を迎えた彼女はその場に崩れ落ちる。彼女の強さから感情が昂ったエルザは、さらしに紅桜を用いた。
「あぁ、決着は私がつける」
「小娘どもが」
血で血を洗う親子の争い。それは最終局面を迎えようとしていた。
「こいつだ」
お団子頭のシェリアやソフィアと同い年くらいの少女と相対したシリルは、そう呟いた。それを聞いたセシリーはキョトンとしている。
「え〜?こいつがティオスが会わせたくなかった人〜?」
ティオスが全力でシリルを止めにかかってまで接触させたくなかった人物。それは彼女だと、シリルは感じ取った。
「あら、ティオスにあったの?よく生き残れたわね」
二人の会話が聞こえていたヨザイネは冷静にそう言ったかと思ったら、突然クスクスと笑い始めた。
「いや、でもそうね。あなたはティオスに殺される心配はないわよね」
「はぁ?」
彼女の言葉に首を傾げる。しかし、それと同時に彼のある言葉にも納得できた。
『・・・そ
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