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とある3年4組の卑怯者
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を差し出した。
「これ、堀さんが持ってきたケーキよ。一緒に食べよう」
「え?そんな、折角堀さんが君のために持ってきたケーキを僕が食べるなんてそんな小杉君みたいに図々しい事できないよ」
「ううん、いいのよ。藤木君が頑張ったんだから私からも何かご褒美ができたらいいと思ってね・・・」
「そんな、ありがとう」
 ケーキの箱の中にはチーズケーキとショコラタルトが入っていた。ショートケーキは昨日笹山が食べていた。
「あ、僕が皿によそうよ。転んで落としちゃうからね」
「そうね」
 笹山は藤木にケーキの入った箱を渡し、自分はベッドに戻った。藤木は給湯用の流しの上にある棚にある皿を取り出し、ケーキを乗せた。
「どっちがいいかい?」
「藤木君が先に選んでいいわ」
「じゃあ、遠慮なく」
 藤木はショコラタルトを選んだ。
(は、選ぶか・・・。僕は未だに笹山さんとリリィ、どっちにするかまだ決められないでいる・・・。このケーキを決めるようにすぐに決めた方が二人共気が楽になるかもしれないけど、簡単には決められないんだよな・・・)
 藤木は未だに選択ができない自分が最低なように感じた。
「藤木君、どうしたの?」
「あ、いや、ちょっとボーっとしてたんだ。笹山さん・・・」
「何?」
「このケーキ、一口だけでも食べていいよ」
「え?いいの?」
「うん、折角掘さんが君のために買ってきたんだから本当は君が食べた方がいいんだ」
「うん、ありがとう。じゃあ、一口だけ貰うわ」
 笹山はショコラタルトをフォークで一欠片取って口に入れた。
「こっちも美味しいわね」
「うん」
 藤木は笹山が美味しそうに食べる所を見ていると自分も嬉しくなるのだった。

 丸尾は自宅の部屋である事を考えていた。
(う〜ん、学級委員として藤木君にできる事は・・・。そうだ、ズバリ、学級委員隊で集合して話し合いましょう!)
 丸尾は嘗て自分に不幸の手紙を送った藤木に非常に悪意を持っていたが、その事件が解決した今、自分もクラスメイトである藤木のスケートを応援しようと思っていた。
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