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スケートの全国大会が終わり、学校がまた始まった。たまえは幼稚園時代の友達であるひろ子から声をかけられた。ひろ子は自分のクラスの友達を連れていた。
「たまちゃん、おはよう!」
「ひろ子ちゃん、おはよう・・・」
「たまちゃんとこの藤木君のスケートの応援に行ったんでしょ?藤木君どうだった?」
「藤木?うん、すごいよ!銀賞だったんだ。今度はカナダでやる世界大会に出るんだって!」
「カナダって外国じゃん!凄いね!!」
「まあ、スケートが藤木の取り柄だからね・・・」
「うん、私達も同じ学校で学年だから応援するよ!じゃあね・・・」
ひろ子は自分のクラスの教室へと戻った。
藤木は教室に入るとクラスの皆から大会の事で労られた。不幸の手紙の事件の時は皆から嫌われ者となっていたが、今では全く正反対だ。最早人気者である。藤木のスケートの功績はクラスどころか学年全体でも大ニュースだった。世界大会への出場権を勝ち取り、カナダへ行く事なんて誰もが凄い話であろう。そんな中、城ヶ崎が藤木に声を掛けた。
「藤木」
「何だい?」
「大会の事、笹山さんに伝えたけど、笹山さんも凄く喜んでたわよ」
「ああ、伝えてくれてありがとう」
「それで笹山さんが藤木に会いたがってたわ。今日行ってあげて」
「うん、そうするよ」
藤木も丁度この日は笹山に会って大会の土産話をしたいと考えていたのだ。
藤木はとある休み時間、トイレから教室に帰ろうとする途中、長瀬、新井を連れた3組の成橋美宙から声を掛けられた。
「藤木君、聞いたわ。カナダに行くんだって?」
「う、うん。大会で銀賞を獲ったからね」
「凄いよね!藤木君スケート得意って知ってたけどそれで世界大会に行けるなんてね」
「まあ、他に取り柄がないからね。僕はただの卑怯者から変わりたいって思ったんだ」
「そんな事ないよ!藤木君はスケートリンクの上なら卑怯者には見えないし、それに凄い輝いてるよ!」
「あ、ありがとう」
「それにカナダってあそこでしょ?『赤毛のアン』の舞台のプリンスエドワード島がある国でしょ?いいなあ、行ってみたいな〜」
「でも、僕が行くのはそこじゃなくてバンクーバーだよ。それにプリンスエドワード島とは離れているよ。ははは・・・」
その時、藤木達が喋っていた場所は1組の教室の前の廊下だっため、1組の女子達が廊下の窓を開けて藤木に手を振った。
「あ、藤木君だ!世界大会出場おめでとう!」
「どうも、ありがとう!ははは・・・」
藤木は対応に困ったが皆が自分にこんなに注目するとは少し嬉しく、世界大会出場は自慢にもなれた。誰によってその情報が広まったかは知らないが、藤木の人気が衰える事はなかった。その藤木の人気ぶりを丸尾は驚いていた。
(藤木君、ズバリ、凄いでしょう!世界大会にご出場なさる
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