第14話:新体制の幕開けー2
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考えております。
時空管理局運用規定およびテロ対策特別措置令によれば、テロ対策室からの出撃命令がなければ
当部隊の出撃は認められておりません。
それ以上のことは、申し上げる立場にございません」
ゲオルグは淡々とそう言って自分の席に座った。
小さくため息をつきながら。
それから3時間ほど議会での質疑は続いた。
質疑が終わって、議会の議事堂を出たゲオルグとフォッケが隊舎に戻るころには、
辺りは薄暗くなっていた。
フォッケと別れて自室に戻ったゲオルグは、席に座ると大きくため息をついて
ドカッと背もたれに寄り掛かった。
(うんざりだな・・・まったく)
数回首を横に振ってデスクの上にある端末に手を伸ばした時、
通信画面が彼の前に現れた。
ゲオルグが通信をつなぐとそこには、はやての顔が映し出されていた。
『お疲れさんやね。 今日は議会に出席やったんやろ?』
「そうだよ。 まったくうんざりだ」
ゲオルグはそう言ってもう一度首を横に振る。
そんなゲオルグの様子を見て、はやては苦笑を浮かべる。
『わかるわ。 私も何回か出たことあるし。 めんどくさいよなあ、あれ』
「型どおりのことを聞くだけなら文書報告でいいだろ、って思うんだよな。
いちいちど素人の勘ぐりに付き合わされるのは迷惑以外の何物でもない」
『まあ、ゲオルグくんがそう言いたくなるのはわかる。
そやけど、管理局が法執行機関である以上、必要な手続きなんもわかってるよね。
部下がやるべきことをしっかりできる環境を作るために』
「当たり前だろ。 だからこうして渋々出席したんじゃねえか」
真剣な顔で画面越しに視線を送るはやての言葉に少し声を荒げて答えると、
ゲオルグは目を閉じてこめかみをもんだ。
「ただ納得いかないのは、なんで毎度毎度俺が出席させられるかってことだよ。
あの程度のことならクロノさんが答えてくれればいいと思うんだ」
『そら確かに』
「だいたいな、俺が部隊長を引き受けるときに言ったんだぜ、あの人。
”行政的なことは自分が引き受けるから心配するな”って。 話が違うっての」
『あらら・・・。クロノくんも相変わらずやなぁ・・・』
口をとがらせてクロノに対する文句を言うゲオルグの様子を見ていたはやては
苦笑を浮かべて肩をすくめた。
そのとき、ゲオルグの部屋に来客を告げるブザーの音が鳴った。
ゲオルグは一瞬ドアの方に目を向けると、再び画面の中のはやてに目を戻した。
「悪い、誰か来たみたいだ」
『うん、聞こえてた。また今度やね』
「ああ、またな」
ゲオルグははやてとの通信画面を閉じようと手を伸ばしたが、寸前でその手を止めた。
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