第14話:新体制の幕開けー2
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左肩の部分がわずかに傷ついていた。
次の瞬間、模擬戦のタイムリミットを告げる音が鳴った。
エリーゼとティアナはゲオルグに向かって歩いていくと、苦笑を浮かべて話しかけた。
「プロテクションを抜けると思ったんですけどね」
「まあ、防御を固める時間はあったからな。 防御を抜くつもりならもう少し絞り込んだ
攻撃方法が必要だよ」
「あんた、普通にバリアで受け切ったの?」
「いや、それじゃあさすがに受け切れないから、レーベンに魔力を集中させて、斬ったよ」
3人がそんな会話を交わしていると、フォッケが隊舎の方から走ってきた。
「部隊長! なんでこんなところにいるんですか!? 今日は午後から議会に出席ですよ!」
息を切らせたフォッケが肩を上下させながらゲオルグに向かってまくし立てると、
ゲオルグの表情はさっと青くなった。
「あ、やばい・・・」
「やばいじゃないですよ! 行きますよ!!」
フォッケはゲオルグの手首を掴むと、隊舎に向かって歩きだした。
フォッケに引きずられて遠ざかっていくゲオルグの姿を見送りながら
エリーゼは呆れた表情を浮かべていた。
「なにやってんのよ、まったく・・・」
フォッケに引きずられていったゲオルグは、隊舎の玄関に待機していた公用車の後部座席に
押し込まれ、都心区域にある議会議事堂に運ばれていった。
車が議事堂の車寄せに到着すると、ゲオルグは係員の案内に従って控室に入った。
「あれ、早いですね」
「君が遅いんだよ」
部屋の中には、テロ対策室長たるクロノ・ハラオウン少将がソファに座って待ち構えていた。
ゲオルグはクロノと向かい合って腰を下ろすと、大きく一つ息を吐いた。
「あまりに遅いからフォッケ2尉に連絡してみれば、模擬戦をやってたというじゃないか」
「ええ、実戦部隊の長としては必要ですから」
「それはそうだろうが、予定管理くらいはしてもらわないと困るよ」
こともなげに言うゲオルグに対して、クロノは腕組みをして厳しい目線をゲオルグに向ける。
「まったくですよ。 僕が気づかなかったら完全に遅刻でしたからね」
クロノの言葉に力を得たようで、フォッケもいつになく強い口調でゲオルグに言う。
「議会に呼ばれて遅刻ではシャレにならないよ、1佐」
さらに畳みかけるクロノの言葉にゲオルグは仏頂面で口をとがらせた。
そのとき、部屋の扉をノックする音に続いて、議会の事務官が部屋に入ってきた。
「ハラオウン少将、シュミット1佐。 お時間ですのでお願いします」
2人は事務官に向かってうなずくと、ソファから立ち上がって廊下に出た。
毛足の長いじゅうたんの敷かれた廊下を警備の職員に伴われ
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