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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第14話:新体制の幕開けー2
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ないの?」

ゲオルグの問いに応じつつ画面に向き直って作業に戻った2人に向けて、
ゲオルグは軽く首を振った。

「はじめてだからこそ見るんだよ。 部隊運営上、人員構成に問題があるなら
 体制が固まってしまう前に手を加えたほうが効率がいいからな。
 あと・・・」

ゲオルツはそこで言葉を切ると、自嘲めいた笑みを浮かべた。

「あと、なによ」

エリーゼがゲオルグに訝しげな眼を向けて尋ねると、ゲオルグは頬をかいた。

「運動不足を解消したいから、基礎訓練に参加しようかと」

ゲオルグがそういうと、エリーゼは肩をすくめて小さく首を振った。

「あんた、それが主目的でしょ」

エリーゼの言に対して、ゲオルグは無言で肩をすくめることで応じ、
エリーゼはそんなゲオルグに呆れたような目線を送る。

「エリーゼさん、フィールドの環境設定なんですけど・・・」

2人の様子をうかがいながら自分の作業を続けていたティアナが声をかけると、
エリーゼはあっと小さく声を上げて、作業に戻った。

ゲオルグはその様子を見て、満足気に小さく頷くと体をほぐすために
ストレッチを始めた。


そうして30分ほどすると、20名の隊員たちが訓練フィールドの前に
集まってきた。
彼らはお互いに談笑しながら歩いてきたのであるが、ゲオルグの姿を確認すると、
急に背筋を伸ばして”おはようございます!”と大きな声とともに敬礼をする。

そんな彼らに対して、ゲオルグはわずかに笑みを浮かべて”おはよう”と
答礼していたのだが、隊員が全員揃ったところで近くに立つエリーゼに話しかけた。

「なあ、姉ちゃん。 俺ってそんな怖いのかな?」

「ん? なによ、突然」

「だってさ、さっきからあいつら俺を見ると急に態度が変わるだろ。
 新しくうちに来た連中」

ゲオルグの問いかけを受けたエリーゼは、ゲオルグの言っていることに
ピンとこなかったのか、不思議そうに小首をかしげてみせた。

「えーっとですね、ちょっといいですか?」

控えめに手を挙げたティアナは、そういって苦笑を浮かべながら2人を見た。

「なんだ?」

ゲオルグが問うと、ティアナは申し訳なさそうな表情を浮かべた。

「訓練、はじめたいんですけど」





ティアナが分隊長が務めるイーグル分隊と、エリーゼが分隊長を務める
エレファント分隊は、それぞれ10人の隊員が所属している。
彼らは列をなして、隊舎の敷地をぐるっと回るランニングコースを走っていた。

ゲオルグ・ティアナ・エリーゼの3人は、隊員たちを追うように最後尾を走っていた。
2人の女性に挟まれて走るゲオルグは、眉間にしわを寄せていた。

「さっきの話、気にしてるん
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