機動戦士ガンダム
2088話
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いう事にさせて貰った方がいいだろう。
「……未来?」
恐る恐るといった様子で尋ねてくるハモンに、頷きを返す。
「そうだ。未来。セイラの兄、キャスバル……いや、シャア・アズナブルが地球に巨大な小惑星を落とそうとしている光景を、な」
『っ!?』
再度息を呑むラルとハモン。
一体、今日これで何度目だろうな。
……俺にも、それだけの衝撃を与え続けているという自覚があるので、それを責めるような真似はしないが。
「それは、本当なのか?」
「どっちがだ? 小惑星落としの件か、シャアの……赤い彗星の正体がキャスバルなのか」
「両方だ」
「どっちも本当だ。もし疑うのなら、セイラに会った時に聞いてみればいい」
「うぬぅ」
俺が堂々とそう言う事により、ラルは言葉に詰まる。
もしこれで俺が嘘を言ってるのであれば、そのような事は言わないと、そう理解したのだろう。
もっとも本物の詐欺師とかになれば、敢えてそのような真似をさせて相手を引っ掛けるという選択をしたりもするのだろうが。
「だが、何故だ? そのような事が、小惑星を地上に向けて落とすというのであれば、キャスバル様を直接押さえてしまえば、それでよかろう。わざわざ国を作るような真似をする必要などは……」
「無理だな」
俺はラルの言葉にあっさりと断言する。
シャアを捕らえるような真似は、今の状態では難しいが不可能ではない。
ないが……捕らえたシャアを、セイラが殺せるとは思えない。
そうなると軟禁するという事になるが、それこそシャアであれば軟禁先から抜け出す可能性は高い。
まぁ、ホワイトスターのアズラエルやパトリックを軟禁している場所に閉じ込めれば、接触する相手は世話役の量産型Wだけだし、ぶっちゃけアズラエルやパトリックがシャアと接触してどういう影響を見るのかも興味がないと言えば嘘になるが……
俺の興味の為にそんな真似をする訳にもいかないし、セイラも別にシャアが生きていれば死ぬまで軟禁生活なんて真似をさせたりとかも、許容は出来ない筈だ。
その為に考えられた手段にして、俺達シャドウミラーにこのUC世界に積極的に関わらせる為の手段が……
「セイラの目指す未来の為には、どうしても国作りは必要となる」
そう、告げるのだった。
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