機動戦士ガンダム
2088話
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者の姿は初めて見る者にとっては間違いなく刺激的だ。
ラルとハモンの2人も、椅子を倒しながら俺から……正確には刈り取る者から距離を取る。
だが、当然のようにそのような真似をすれば椅子は床に倒れ、その音が周囲に響く。
このような部屋が完全防音になっている筈もなく、そんな椅子の倒れる音が酒場で俺達の話が終わるのを待っていたラルの部下達にも聞こえたのだろう。
慌てたようにこっちに近づいてくる気配……いや、足音が聞こえる。
「ラル大尉! 大丈夫ですか!」
扉越しに聞こえてきた声。
ラルは果たしてどうするのかと様子を見ていると、ラルはハモンを後ろに庇いながらも、刈り取る者の様子を見ながら口を開く。
「問題ない、クランプ。気にするな」
ラルの言葉に、扉の向こうで数秒沈黙した後で再び声が聞こえてくる。
「分かりました。では、私はこの辺で失礼します」
そうしてクランプと呼ばれた男や、それ以外の面々の気配が遠ざかったところで、俺はラルに声を掛ける。
「良い判断だったな。もしここで誰かが乱入してきていれば、間違いなく大きな騒動になっていた筈だ」
「……ふんっ、お前に言われなくてもそれくらいは分かっている。それで、その奇妙な代物はなんだ?」
相変わらずハモンを庇いながら尋ねてくるラルに、俺が刈り取る者に視線を向ける。
「そうだな。召喚獣……と言っても、どうやら分からないみたいだな」
まぁ、ラルやハモンの性格は、多少なりとも接して理解した。
この2人がファンタジー系のゲームや漫画、小説、アニメといった物を楽しむようには見えない。
「簡単に言えば、魔法で契約を結んだ人外のモンスターだな」
「な……」
あっさりとそう告げた俺の言葉に、ラルは息を呑む。
いきなり自分の目の前にいるのがモンスターだと言われても、そう簡単に信じるような真似は出来ないだろう。
だが、それを否定する事が出来ないのは、実際に刈り取る者がこうして目の前に存在しており、それが幻でもなんでもなく確かな存在感を持っているからだろう。
これで存在感のない相手であれば、偽物だと言うことも出来たのだろうが。
グリとか呼べば、それこそ一発で本物だと信じて貰えそうな気もするけど、何だかんだとグリはでかくなってしまったからな。
取りあえずこの部屋の中で召喚すれば、この部屋を……いや、エデンという酒場を壊してしまう事になるのは明らかだ。
そんな風に考えながら、俺は刈り取る者に影に戻るように指示を出す。
「信じて貰えたか? 他に俺が異世界から来たという証拠を出せというなら、こういうのとかもあるけど」
そう言い、蝶や小鳥の炎獣を生み出す。
炎獣は刈り取る者程の威圧感はないが、ファンタジー感と
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