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レーヴァティン
第五十九話 名古屋の街その十一

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「それは」
「だからだな」
「このこともいいかと、ではそろそろ」
「出て来るな」
「その召喚士の方が」
「一体どんな奴かな」
「まずは拝見ですね」
「そうなる、どういった腕か」
 召喚士としてのそれはというのだ。
「見せてもらおう、しかし俺達は順調に集まっているが」
「これこそ運命、つまり」
 謙二も言ってきた。
「神仏の配剤です」
「そうなるな」
「やはり人間は自分達以上の存在に動かされている部分があり」
「それでだな」
「我々も然りでして」
「順調に会っているか」
「そうかと、運命はです」
 まさにというのだ。
「神仏の手によるものです」
「偶然、しかしその偶然は時として運命を大きく変える」
「若しも、ですね」
「若しも、そうした事態が起きないと」
 その場合はというのだ。
「人はどうなっていたかわかりませんね」
「そんな時が多いな」
「まさに」
「そんな時が多いのも事実だ」
「人生で何度もあります」
 どの様な人間でもだ、そうした時は時折あるというのだ。偶然と思える様な出会いや出来事がその人生に大きく影響することが。
「若しあの人に会わなかったら」
「ああしたことが起きないと」
「そうしたことがです」
「俺もだ、何度もな」
「偶然の様な出会いや出来事がですね」
「あった、そこから色々と変わった」
「そしてそれはです」
 偶然と思う様なことはというのだ。
「全て神仏の配剤です」
「全くだ、幾ら偶然でもな」
「出来過ぎた偶然ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「人生はそれが多い」
「偶然、しかし運命を大きく変える偶然が」
「多い、それはこの世界でもだな」
「拙者達にしても」
 ここで言ったのは智だった。
「そうでござるな」
「そうだな、俺達の出会いもな」
「偶然の様でござったな」
「若し会わなかったならな」
「拙者西に行くつもりだったでござる」
「西の方にか」
「そう思っていたでござる」
 智は英雄にその時の自分の考えを話した。
「世界を救うなぞ思えず」
「それでか」
「まあこの世界で風来坊の様に生きるのも悪くないと」
「そう思ってか」
「はい」
 智は英雄に答えた。
「それで西に行き適当に旅をして」
「そのうえで」
「この世界ではその様に生きるつもりだったでござる」
 一人で冒険の旅をしてというのだ。
「そうしていたでござる」
「そうだったか」
「しかしでござる」
「そこで俺と会ってか」
「この世界での運命が変わったでござる」
「そしてそれもだな」
「神仏の配剤でござるな」
 そうなるというのだ。
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