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レーヴァティン
第五十九話 名古屋の街その八

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「色々な生きもの呼び出して見せものにしてるぜ」
「それで銭稼いでるんだな」
「そうしてるぜ」
 こう話していた、英雄達が起きている世界で言う名古屋の訛りがある言葉で。
「それがまたな」
「凄いんだな」
「噂通り、いや噂以上のな」
 そこまでのというのだ。
「凄い召喚術だぜ」
「そんなにか」
「もう桁が違うっていうかな」
 それこそというのだ。
「もう他の召喚士とは違うぜ」
「へえ、そうか」
「だから御前も行ってみろ」
「そうさせてもらうな」
 こうした話をしている面々がいた、その話を聞いてだった。当季は仲間達に笑ってこんなことを言った。
「街の東の織田屋ぜよ」
「ああ、聞いている」
 実際にとだ、英雄が応えた。
「織田屋だな」
「そこに行けば会えるぜよ」
「そうだな、では街の東に行くか」
 その織田屋のある方にというのだ。
「そうするか」
「是非にぜよ」
「ではな」 
 英雄も頷いてだ、それで街の東の方に今いる全員で向かった。そうしてその見世物小屋である織田屋の前に行くとだ。
 大勢の客が並んでいた、峰夫はその並んでいる状況を見て言った。
「話題を聞いてでありますな」
「これだけの客が来ているな」
 英雄もその列を見て言う。
「そういうことだな」
「そうでありますな」
「ではだ」
「はい、今からであります」
「列に並ぶか」
「まずは客としてでありますか」
「その術を観たい」
 召喚のそれをというのだ。
「そうしてな」
「では」
「並ぶか。しかしな」
「はい、相当な列であります」
「百人はいるか」
 英雄はその列をざっと見た、見れば確かにそれだけいた。
「多いな」
「あっ、次に出るのを待っている人達なんで」 
 列を整理している店の者らしき若い男が言ってきた。
「別にです」
「待っていないか」
「はい、今召喚士の人が休憩中で」
 それでとだ、男は英雄に話した。無論一緒にいる面々にもそうした。
「皆さん待ってもらってます、ついでに客席も掃除中で」
「では掃除が終わればか」
「お店に入ってもらいます」 
 こう英雄に話した。
「ですから安心して下さい」
「わかった、ではな」
「暫くここでお待ち下さい、あとお金は入り口で払ってもらいます」
 そこで、というのだ。
「そうしてもらいますので」
「このこともだな」
「覚えておいて下さい」
「わかった、では今はな」
「ここで、ですね」
「待たせてもらう」
 英雄が頷いて他の面々もだった、列に並んだ。やがて掃除が終わり並んでいる面々が次から次にと銭を払ってうえで店の中に入った。
 店は蝋燭の灯りで照らされていて明るい、その灯りを見て言ったのは良太だった。
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