第三章
[8]前話 [2]次話
つぼみはこの日はアニメを観た、そして次の日もまた次の日もだ。
つぼみはアニメやドラマの録画ばかり観た、他にはレンタルビデオショップで借りた映画の視聴も多くなっていた。
「映画レンタルして観る方がね」
「今のテレビ番組観るよりもか」
「ずっといいわ」
主人公にこの時もこうしたことを言った。
「正直ね」
「何か前よりも番組自体を観なくなってないか?」
「なってるわよ、だから本当にね」
「面白い番組がないか」
「ないと言っても言い過ぎじゃないわ」
そこまで酷いというのだ。
「質の悪い奴ばかり出るし」
「そのボクサー一家やらガチャ目の奴とかか」
「他にも一杯いるし」
質の悪い輩がというのだ。
「前も言ったけれど」
「だからか」
「観たくないのよ、今の番組がね」
「本当に難しいことになってるんだな」
「私にとってね、何でこう面白い番組がないのよ」
テレビが大好きなつぼみにとっては深刻な問題だった、それで今は普段の明るさをくすぶった感じにさせていた。
「学校がない時はずっと観ているけれど」
「面白い番組自体を観ることはか」
「今放送してるのではないわ」
「そうした状況か」
「ええ、録画かレンタルか」
観るにすればというのだ。
「そうなってるわ」
「歌番組はどうだよ」
「そっちはいいけれど少ないでしょ」
「昔はずっと多かったんだよな」
「いい時間帯にもやってたみたいね」
「ベストテンとかトップテンとかな」
「そういうのやったらいいのに」
それこそ下らないバラエティ番組や報道番組を放送する位ならというのだ。
「本当に」
「お金も人も使わないで番組作ってばかりか?」
「頭も使ってないでしょ」
つまり何も使っていないというのだ、必要なものを。
「だからね」
「テレビを観ることもか」
「困ってるわ」
「じゃあな」
ここでこう言った主人公だった。
「BSとか時代劇チャンネル観たらいいな」
「そうしたチャンネルはいいのね」
「そういうのも観たらどうだ?」
テレビ好きだが面白い番組がないことに嘆くつぼみにこう言った。
「そうしたらどうだよ」
「そうね、じゃあね」
「ああ、そうしてみるな」
「ものは試しでね」
実際にとだ、つぼみはこう答えた。そしてだった。
つぼみは実際にそうした番組を観ていった、BSは時代劇チャンネルを。そうしてみるとだった。
今は遠山の金さんを観つつだ、つぼみは主人公に言った。
「面白いわね」
「ああ、実際な」
主人公も金さんを観つつつぼみに応えた。
「痛快でな」
「演技も演出もよくて」
「面白いよな」
「そうよね、何かね」
「何か?」
「昔の番組の方がね」
金さんにしてもというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ