第壱話:綾波さんは揉まれたい
第壱話:綾波さんは揉まれたい(転)
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揮官。綾波にはお金なんていらないのです。ただ…」
ケイトの表情を見た綾波は即座にその意を察して言う。第一、金云々を言う艦娘は少数派だ。ご褒美に欲しいものはそんなものではないのだ。綾波は意を決して力強く言う。サラトガが授けてくれた策を。
「この戦い、綾波は全てで一位を取るのです! そうしたら、綾波を揉んで欲しいのです! そう! 指揮官が、一番好きな所を!」
ぐはあ! あんまりな発言にケイトは助けを求めて、ベルファストを見る。だが、ベルファストは無慈悲に宣言する。
「はい。承認します。お金もかからないですし、それでお嬢様の戦意が上がって敵を効率的に殲滅できれば、これ以上のことはありません。御主人様、異論は御座いませんね?」
「あ、ああ…」
ベルファストの向けてくる水を、ケイトは飲まざるを得ない。本気になった綾波の力は誰もが知っている。単艦で敵陣を滅ぼすなど日常茶飯事で、演習で対等以上の相手に一発逆転をやってのけることもままある。彼女の戦意を上げることは戦術上有効であることは火を見るより明らかだ。しかし、あまりにあまりな内容であるため、ケイトは難色を示す。だが、戦術、戦略上何の問題もない以上文句は言えない。
「お待ちください、指揮官様。それは綾波さんだけの意見を取り入れては不公平です」
綾波の言葉に、案の定反応してくるものがあった。真っ先がフッドというのは意外ではあったが。
「ここは一定以上の戦果を挙げた者の望みを指揮官が叶える、ということでどうでしょうか? 勿論、指揮官個人の経済力と政治力と身体的能力の範囲内で、無理がない程度に。如何でしょうか?」
「素晴らしい案です、フッド様! ぜひ採用致しましょう!」
「こら! ベル、フッド! 勝手に話を進めるな!」
指揮官を無視して、目を輝かせ、勝手に話を進めるロイヤル艦二人にケイトは文句を垂れるがそれは当然のように聞き入れられることはなく、
「上等ね。このウォースパイト、指揮官の敵は絶対に見逃さない!」
ウォースパイトが気合の声を上げる。あまりの闘志に、気の弱い相手なら近づくだけで卒倒しかねない勢いだ。更に…
「…そういうことなら、フォルトナも頑張ります。指揮官様との運命のために…!」
普段大人しいフォーチュンまでがそんなことを言う。確かにフッドの策は大当たりのようだ。しかし、みんなが功を焦っては身の危険が大きすぎるのではないか、とフッドに抗議しようとしたが…
「御安心ください。このマイティ・フッド。指揮官様に勝利の栄光を捧げて見せます。シスターサラも綾波さんも寄付けませんよ?」
「上等なのです、フッドさん。鬼神の力思い知らせるのです」
フッドも綾波も牙を剥いて、争う気満々だ。もう手の付けよう
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