第壱話:綾波さんは揉まれたい
第壱話:綾波さんは揉まれたい(転)
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なるのだ。
「ふふ。陛下の愛情表現は実に愛らしいことですね。優雅とは少々言い難い気もしますが」
そんな様子を後ろから我関せずで優雅に眺めていた瀟洒な装いの淑女はフッド。ベルファストと並んでロイヤルネイビー最強の艦と称される彼女は、マイティフッドとも呼ばれる。ケイトの艦隊のベルファストや綾波とはまた少し毛色の違うエースである彼女は、どのような時も優雅な態度を崩さない。時折、腹黒い部分が見え隠れするのはきっと気のせいだ。
「あ、愛情表現なんですか? う、うち恥ずかしい…」
その隣でケイトとフッドとエリザベスを見比べてもじもじしているのはシグニット。いつも恥ずかしがりやで控えめな彼女は、それでもロイヤル前衛屈指の強豪艦であり、同時に大人顔負けのプロポーションを誇る美少女でもある。
「愛情表現ですかー。陛下も指揮官が好きなんですねー? ジャベリンも指揮官のことが大好き、です!」
そう言ってはしゃぐ少女はジャベリン。光の当たり具合によって、青く輝く髪をポニーテールにまとめた彼女は、ロイヤルの駆逐艦の中でも最強と目される存在であり、目下綾波とスコアー稼ぎのライバルである。そんな彼女はあまり意味が分かってなさそうに無邪気な様子で言う。
「ジャベリンちゃんの大好きと、陛下の愛情はちょっと質が違うんじゃないかな…?」
そう控えめに言うのは、フォーチュン。グレーでウェーブのかかった長髪の彼女はとても大人しく、自己主張は控えめである。それでも、言いたいことはしっかり言う辺りに芯の強さがうかがえる。
「ふふん! ロイヤル陣営は賑やかで良いな! しかし、この高貴なる雪風様と比べると優雅さが足りないな。そう、私こそ高貴で幸運で無敵の! 雪風・エイト・陽炎・ザジェネ…なんなのよこれ!言いづらい!!? …ええと、アリゾナさんももう落ち着いたよね?」
「はい…ありがとうございます、雪風さん…私の長話に付き合っていただいて…」
そう言うのは先ほどドックに取り残された二人、雪風とアリゾナであった。テンションの差が天と地程度に離れているが、今日のところは同じ第一艦隊所属である。同じ艦隊所属の綾波とサラトガとサンディエゴは尊敬の眼差しで雪風を見る。彼女はアリゾナの長い長い鬱トークに全く毒されることなく、凄まじく高いテンションを保っている。これは平素より自己のキャラクターに見合う努力をしている証拠であり、他の模範とするに値する偉業であると思えた。同時に、あまり真似したくないな、とも思ったがそれは内緒である。
「さて。俺としては、姦しいみんなのトークを聞いていたいが、光陰は矢が通り過ぎるかの如し、だ。ベル、作戦の説明を頼む」
「はっ! では、僭越ながらベルファストが、作戦の概要を読み上げさせて頂きます」
ケイ
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