暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦士ガンダム
2087話
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のセイラを見て微かに涙ぐみ、ハモンはそんなラルを気遣っている。

『本来なら、色々と話したい事があります。それこそ兄の事も。ですが、残念ながら今はそのような事を言っていられる場合ではなくなりました。今は、一刻も惜しい時なのです』

 そんなセイラの言葉に、ラルの表情が厳しく引き締まる。
 まぁ、10年も会っていないセイラが、いきなり俺を通して接触し、その映像では一刻の時も惜しいとそう言うのだ。
 明らかに何かがあると、そう考えるのは当然だろう。

『ですが、一刻の時も惜しい中でも、残念ながら今の私には何の力もありません。今の私は、客観的に見ればサイド7で働いている医療ボランティアの1人でしかないのですから』
「サイド7だと!?」

 セイラがサイド7にいるというのは、ラルにとっても完全に予想外だったのだろう。
 ラルがどこまでセイラの行方を辿っていたのか、その辺りは俺にも分からないが……ただ、ラルの父親のジンバ・ラルがセイラとシャアの2人を地球に連れていったのは間違いない。
 となると、もしかしたら今も地球にいたと考えている可能性もある。
 ……もっとも今の地球はジオンと連邦の最前線だし、月面のマスドライバーによる攻撃を受けたり、それ以外にもコロニー落としすら受けている。
 そう考えれば、地球にいるよりもコロニーにいた方が安全だったと、そう思う可能性はあるが。
 コロニーにいても、住んでいるコロニーがコロニー落としに使われるとか、そういう可能性はあるが。
 そんな風に考えている間にも、セイラは簡単に現在の状況を告げ……そして、決定的な一言を口にする。

『そして、ラル。私は……アルテイシア・ソム・ダイクンは、国を興そうと考えています』
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