機動戦士ガンダム
2087話
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は他の連中にも聞こえる。今は静まり返ってるしな」
実際、現在の店の中ではラジオか何かで音楽が流れてはいるが、それ以外の話し声の類は聞こえない。
言うまでもなく、この場にいる全員が俺とランバ・ラルの話に耳を傾けている為だ。
だがそんな俺の言葉に、ランバ・ラルは不愉快そうに眉を顰める。
「ここにいる者達は、全て信頼出来る者達だ。情報が漏れる心配はいらん」
「それでも、だ。残念ながら、この件はかなり大きな話となる。例え青い巨星が信頼する仲間であっても、念には念を入れたい」
「てめえっ、俺達がラル大尉を裏切るって思ってんのか!」
俺とランバ・ラルのやり取りを見ていた軍人の1人が、我慢出来ないとでも言いたげに叫び、俺に向かって近づいてくる。
……まぁ、この酒場にいる連中の様子を見る限り、全員がランバ・ラル……面倒だな。ラルでいいか。ラルに心酔している者ばかりだ。
だからこそ、俺がラルに対して侮ったような態度を取るのが許せなかったのだろう。
その気持ちは分かる。分かるが……そうだな、こっちの実力を多少なりとも見せておいた方がいいか。
見たところ、ラルの部下達は軍人ではあってもMSのパイロットに専念している連中だけ……という訳ではなく、きちんと歩兵としての訓練も受けてるようだしな。
身長2m近い男が俺に向かって手を伸ばしてくるが、俺はその手首を掴まえる。
「ぐっ!」
軍人らしい大男と10代半ばの俺。
普通に考えれば、当然のように力で勝つのは大男の方だろうが……生憎と、俺はちょっと普通ではない。
大男の顔が真っ赤になりながらも、俺の顔色は全く変わっていない。
周囲で見ていた他のラルの部下達も、そんな仲間の様子を見れば、到底普通ではないというのは理解出来たのだろう。
やがて、少しずつだがざわめきが周囲に広がっていく。
顔を真っ赤にしている様子から、とてもではないが大男が冗談か何かをやっているのではないというのは分かったのだろう。
そんなラルの部下達の様子を別に、俺は真剣な様子でこっちを見ているラルに尋ねる。
「どうする? このままだと、この男の手首は砕けるぞ。そっちがそれでいいのなら、俺は構わないが……」
「……この奥には店員用の休憩室がある。そこでいいか?」
「ああ」
「ただし、儂以外にハモンも連れていく。……あの猫の件となれば、ハモンも関わっているからな」
そう言い、カウンターに座ってこっちを見ている女に視線を向けるラル。
ハモン……? そう言えばセイラがラルと一緒に1人の女がいたとか何とか言ってた気がするけど、それがハモンか?
「分かった。なら、それでいい」
「おわぁっ!?」
その言葉と同時に、掴んでいた男の手を離す。
反射的に後ろに下
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