機動戦士ガンダム
2087話
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非常に重要な鍵となる人物だ。
そもそもダイクン派と呼ばれている者達の多くが既に存在していない以上、ランバ・ラルくらいしかダイクン派と繋がりがあると思われる人物がいないというのが痛い。
もし伝言を聞いても駄目だというのであれば、強硬な手段に出るしかなかった。
……この軍人、外見とは違ってそれなりに性格は良いらしいので、出来ればそんな真似はしたくないんだが。
「分かったよ。ただし、それでも駄目だったら、大人しく帰れよ」
「ああ。『10年前にルシファを助けてくれてありがとう』と、そう伝えてくれ」
「……ルシファ? いや、まぁ、いい。分かった。なら伝えてくるから、ここで待ってろ」
店の中に入ってくるなよと念を押してから、軍人の男はエデンの中に入っていく。
ちなみにルシファというのは、セイラがまだアルテイシアとしてサイド3に住んでいた時に飼っていた猫で、ザビ家との戦いでラル派が不利になって地球に脱出しようとした時、セイラが連れてくるのを忘れて、それをランバ・ラルが助けに戻ったという事らしい。
その猫も、地球からテキサスコロニーに引っ越してから暫くして、死んでしまったらしいが。
問題なのは、ルシファと言われてランバ・ラルがそれを猫だと思いつくかどうかだが……
「いや、その心配はいらなかったらしいな」
エデンの中から猛烈な気迫を発する男がこっちに近づいてくるのを感じ、あの伝言に効果があった事に安堵する。
やがて、ばんっ、という激しい音を立てて扉が開かれ、そこから1人の男が姿を現す。
年齢的には30代くらいか?
髭を生やし、恰幅のいい身体をしているその様子からは、年齢以上の迫力を感じさせる。
「小僧、貴様があの伝言をコズンに頼んだ者だな?」
「正解。ランバ・ラルだな。俺の伝言を聞いて貰ったようで何よりだ。……よくあの伝言の意味を理解したな。10年も前の話なのに」
「……入れ。ここで話せるような事ではないだろう」
それだけを言い、ランバ・ラルはエデンの中に入っていく。
俺もまたそれを追って店の中に入り……その瞬間、店の中にいた客達の視線が俺に集まる。
それは明らかに警戒の視線で、どれだけランバ・ラルが他の者達に慕われているのかという事を示していた。
セイラの事情について知ってるのがどれくらいいるのかは、俺にも分からないが。
ともあれ、この連中のボスたるランバ・ラルが俺を曲がりなりにも客として迎え入れた以上、強烈な視線は俺に向けてくるが、それ以上は何も行動を起こす様子はない。
何かあればすぐにランバ・ラルを守ろうと考えているのは、気配ですぐに分かったが。
そんな風に思いつつも、酒場にある奥の席に座ったランバ・ラルに対し、俺は首を横に振る。
「ここで話せば、その内容
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