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空に星が輝く様に
198部分:第十五話 抱いた疑惑その二

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第十五話 抱いた疑惑その二

「それはね」
「わからないって」
「どういうことよ」
「だから。ほら、あの胸じゃない」
 今は月美のその豊かな胸を指し示していた。
「あの胸」
「でかいわね、相変わらず」
「夏服だから余計に目立つし」
 二人もその胸を見て言う。
「あの胸に惑わされて、ならどう?」
「言われてみればね」
「有り得るわね」
 三人でそうした話をしているとだった。ここで。
 星華が来た。そうしてだった。
「只今」
「あっ、星華ちゃん」
「お帰り」
「ふう、やっと終わったわ」
 星華は溜息混じりに三人に対してこう言った。
「何かと手間がかかったわ」
「お疲れ様」
「女子バスケ部も何かと大変ね」
「まあね。仕方ないわよ」 
 星華はこう三人に返した。
「私が一年のまとめ役みたいなものだしね」
「他にはいないの?そういう娘は」
「誰かいないの?」
「それがね」
 困った顔での言葉だった。
「私以外にはね。これといってね」
「そうね、いないのね」
「誰も」
「いそうでいないのよ」
 よくあることだった。何でもいそうでいないものだ。そして一人はいる。その一人がここでは星華であったというわけなのである。
「それで私がね」
「けれど星華ちゃんがいたらね」
「そうそう」
「それで大丈夫じゃない」
「頼りにされてるってこと?」
 星華は三人の言葉からこのことを悟った。
「つまりは」
「そう考えたらいいんじゃない?」
「そうよね」
「ポジティブにね」
 三人はそうではないかと話した。
「そう考えようよ」
「後ろ向きでもいいことないしね」
「それでどう?」
「そうね」
 そして星華もそちらの考えでいくことにするのだった。三人の今の言葉に対してこくりと頷いてそれからまた言ったのである。
「そう考えるわ」
「それでよしってね」
「やっぱり星華ちゃんは何でも前向きでないと」
「成績があまりよくなくてもね」
「成績は余計」
 州脇の今の言葉には少し苦笑いで返した。
「私だってこれでも努力してるんだし」
「赤点は取らなかったよね」
「追試はなしだったのね」
「そうよ、ないわよ」
 その通りだと答えるのだった。
「取ったら後が大変だし」
「それを言えば頑張ってるわね」
「うんうん、確かに」
「必死だってことね」
「そうよ、必死よ」
 星華はその通りだと答えた。
「私だってね」
「成程ね、そうなのね」
「星華ちゃんも勉強してるんだ」
「大学にも行きたいし」 
 そしてこんなことも話した。

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