十一匹め
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「遠慮無くなってきたなお前」
アタシこれでもエリクサー作れる唯一の錬金術師なんだけどなー…
フォークを渡すとカチャカチャとボウルの中身を混ぜ始める。
「何作る気だよお前」
「ほっとけーき」
ホットケーキ?なんだそれは?
「よーするに、あまいぱんだよ」
「へー…。シェルム先生に習ったのか?」
「んーん。ひみつ。いつかボーデンにもはなせるひがきたらいいなっておもうよ」
一瞬だけ、そうほんの一瞬だけシラヌイが遠い目をした。
大人のような、諦めた目だ。
「ボーデン、ふらいぱん」
「はいはいっと」
すこし小さいフライパンを渡してみた。
シラヌイが何をするのか見てみたいのだ。
「くりえいとふぁいあー」
ての上に焔を灯してフライパンを温め始めた。
「あ、ばたーわすれてた………。
くりえいと…」
「ちょっと待てバター錬成する気かお前は。
無茶だろ。ちょっと待ってろ」
急いでバターを持ってきた。
「どのくらいだ?」
「ちょっとでいいよ」
バターを一欠片フライパンに落とす。
ジュッと音がして溶け始めたバターをシラヌイはフライパンを動かして全体に回す。
「おたま…あ、そだ…
くりえいとあくあ。しぇいぷしふと。
ふぇいずとらんすとぅそりっど」
お玉を持って来ようとした時、シラヌイは産み出した水を凍らせてお玉を作った。
あり得ねぇ!いくらシェルム先生の息子でも氷結魔法だなんて!
シラヌイは作ったお玉に尻尾を巻き付けて、ボウルの中身を三割ほどフライパンに垂らした。
確かに両手はクリエイトファイアとフライパンで塞がってるけど…
「なぁシラヌイ。それどこで覚えた」
「おもいつき」
さて、こいつは天才かそれともバカか…。
シラヌイはフライ返しも使わずに茶色い板状の物をひっくり返した。
「ボーデン。おさら」
「ほれ」
シラヌイの目の前に皿を置くと、フライパンの中身を皿に置いた。
「いがいとできた」
シラヌイはボウルの残り七割も同じようにして作った。
「かんせい!」
手の上の焔を消して、言った。
「で、この丸いのは何なんだ?」
「ほっとけーき、もしくはぱんけーきっていうたべもの。
ほんのり甘くて美味しい…はず」
はずって。はずってお前なぁ…。
「はちみつかめーぷるしろっぷをかけてたべてもおいしいよ」
「蜂蜜ならあるが」
「じゃぁそうしよう」
使った調理器具を流しに置いて、テーブルに座る。
「「いただきます」」
ホットケーキとやらに蜂蜜をかける。
ナイフで切って、口に運ぶ。
「…………
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