猫娘と期末試験編
NO.059 期末試験 五、六回戦目
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」
思い起こせば最初の出会いである入学試験。
己の窮地に颯爽と助けてくれた出久はお茶子にとってまさしくヒーローだった。
それから友達にもなれて、電話で話し合った出久の内緒の話。
おそらく爆豪はすでに知っていただろうが、お茶子にとっては認識は初めてもとは男性だったと話してもらえた事実が嬉しかった。
隠し事をすぐに話してくれたのだ。
それなら信頼に応えなければダメだろう……?
そう思ってお茶子はずっと出久の為になろうと今まで頑張ってきた。
その過程でちょっと行きすぎちゃった行動もあったけど、でも出久ならきっと許してくれるという甘えの考えがあった。
「(そうだった……私、デクちゃんにすっかり依存しちゃっていたんだ……)」
そう考えると少し恥ずかしくなるとともに、それでも悪くはないという思いが浮かんでくる。
そして思う。
「(デクちゃんが性転換しないでもとの男の子のままだったら……私、デクちゃんの事、本気で好きになっていたのかな……?)」
吸い込まれそうになりながらも、思考はそれ以上に早く回転していた。
今も青山が不思議そうに首を傾げているが、
「(ううん……そんなもしもの考えじゃあかん! 私は今のデクちゃんの事が好きになったんだ! そしてそんなデクちゃんに言われた事を思い出せ、私!!)」
それで思い起こすは職業体験前の事。
お茶子は出久にこう話していた。
『強くなればね、それだけ可能性が広がるし、でもやりたいことだけしていちゃそれだけ見聞も狭まっちゃうからまずは自分にないところを見つけてみようと思ったんだ!』
そう言ったお茶子に出久はこう返していた。
『そっか! うん、いいと思うよ。麗日さん、近接戦闘を鍛えたらきっと強くなると思うから。一度でも相手に触れられればそれだけでどうにかできちゃうのにそこに接近戦が加われば鬼に金棒だよ』
と……。
そんな些細なやり取りだったが、自分の考えは間違っていなかったと出久に肯定してもらった事がいかに心強かった事か。
そして結果、己が身に着けた力を思い出せ!
その考えに至ったお茶子の頭はもうすっかりクリアになって冴えわたっていた。
同時に、自ら取っ手に付けている手を離していた。
「ちょっ!?」
青山の驚く声が聞こえてくるが今のお茶子はもう精神統一していたために、その手にカフスを持って、そして武闘派ヒーロー・ガンヘッドのもとで学んだ武術『G・M・A』を13号にお見舞いしようとしていた。
さすがの13号も本気で吸い込むわけにはいかずに、指を閉じてしまい、お茶子に隙を与えてしまった。
そこからは流れるようにお茶子は13号を拘束してカフスを嵌めていた。
「(敵の“フィールド”じゃなく
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