第三章
[8]前話
「我々の様にだ」
「階級で役職を決めるのではなく」
「それぞれの資質で決めるべきだな」
「日本の様に」
「そうあるべきだな」
「あの国は間違いなくだ」
アルカードは確信を以て言った。
「強い国になる」
「そうだな」
「あの国の候補生達は皆立派だ」
「階級に関わらず」
「誰もが優秀だ」
「それならな」
「絶対にそうなる」
強い国になるとだ、彼等も口々に言った。
「若し将来我が国が日本と戦えば」
「今は我々の方が国力が上で軍の規模も大きいが」
「しかしな」
「それでもな」
「我々は彼等に勝てないな」
「彼等には」
「そうだ、彼等に勝つ為にはだ」
若し日本と戦う時が来ればとだ、アルカードはまた話した。
「今のままでは駄目だ、改革をしなければ」
「全くだ」
「我々も階級をなくさなければならない」
「個人の資質により登用していかなければ」
「彼等には勝てない」
友人達も口々に言った、そしてだった。
アルカードも彼等も改革を決意した、彼等のこの決意が実際に運動になるにはかなりの時間がかかった。だがこの時からはじまりこの国は多くの政争と挫折を経て変わった。アルカードが軍の元帥になった時は軍も近代化し変わっていた。日本軍の候補生達との出会いは彼の国が変わった全てのはじまりと言える出来事だった。
交流して 完
2018・6・24
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