第一章
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交流して
アルカード=リュベル=ヴァロワは士官学校長の話を聞いてまずはこう言った。
「日本の士官学校とか」
「ああ、東洋の国だな」
「東洋の東の端の方にある国だ」
士官学校にいる平民出身の同期の者達が彼に応えた、階級制度を疎ましく思っているアルカードは貴族出身の同期や先輩達からは疎まれているが平民出身の者達からは人気が高いのだ。それで彼等はいつもアルカードと共にいるのだ。
「随分と歴史がある国らしいな」
「結構前に維新とか革命が起こって国の制度が変わったらしい」
「今は階級がないらしいな」
「我が国と違って」
「階級がないのか」
そう聞いてだ、アルカードはそこに自分が考えている理想社会を思った。
「それはいいことだな」
「そうだな、この国は階級制度が強い」
「今も貴族に権力が集中している」
「我々も平民出身の士官学校の生徒も少ない」
「多くは貴族出身者だ」
「私も貴族だが」
それでもと言うのだった。
「あえて称号は棄てたからな」
「ド、だな」
「名前に入るそれを棄てているな」
「そうしたな」
「階級が問題ではないのだ」
アルカードは友人達に毅然として語った。
「大事なものはだ」
「それぞれの能力だな」
「それだな」
「それが最も重要だな」
「そうだ、その階級を否定した日本の士官学校の者達をだ」
彼等のそれをというのだ。
「見せてもらうか」
「そうするか」
「一体どういった者達か」
「かつては武士という支配階級がいたが今はいない」
「その彼等の力をな」
アルカードと平民出身の士官候補生達はこう考えていた、だが貴族出身の候補生達は全く違っていた。
「階級がないというのか」
「もう平民だけか」
「華族という貴族がいるらしいが」
「候補生は皆一緒らしいな」
「華族とやらも平民とやらも同じだ」
「平民出身の者が圧倒的に多いらしい」
「そんな連中が我々と交流するか」
それ自体がというのだ。
「お笑いだな」
「全くだ、平民は品がない」
「教養もない」
「我々の様にしっかりとした教育を受けていないのだ」
「家柄も格式もない」
「その様な連中だ」
「大したことはない」
こう言っていた、だが。
その話を聞いてもだ、アルカードは言った。
「どうだろうかな」
「ああ、貴族の連中は馬鹿にしているな」
「日本の候補生達は大したことがないと」
「そう言っているな」
「馬鹿にしきっているな」
「ああ、しかしな」
それはと言ったアルカードだった。
「会って見ていないとわからない」
「そうだな」
「まずは彼等と会ってみてからだ」
「実際に交流してからだ」
「それからだ」
アルカードはこう言っていた、それでだ
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